大島理森衆院議長(右)と伊達忠一参院議長=川田雅浩撮影
衆参両院の正副議長は20日、衆院議長公邸で、天皇陛下の退位に関する意見を与野党から聴取した。同日中に全8党と参院2会派からの聞き取りを終える。退位を巡る法整備について自民、民進両党の主張の隔たりが鮮明となり、皇室典範に根拠規定を置くべきかが今後の焦点となりそうだ。
意見聴取には、自民党出身の大島理森衆院議長と伊達忠一参院議長、民進党出身の川端達夫衆院副議長と郡司彰参院副議長が出席。聴取の内容を踏まえ、3月中旬までに国会の意見を取りまとめて政府に報告する。
聴取は自民党から始まり、高村正彦副総裁は、現在の陛下一代に限って退位を特別立法で認めるべきだとの党見解を伝えた。皇室典範に根拠規定を記述すべきかについては、「憲法、皇室典範と今回の立法措置の関係を明確にする必要がある」と述べ、民進党との協議に含みを持たせた。
民進党は野田佳彦幹事長が出席し、皇室典範を改正して退位を恒久制度化すべきだとの意見を伝えた。野田氏は国会の憲法審査会でも議論するよう要請したほか、「疑問をぶつけ合い、成案を得る全体会議の場が必要だ」と求めた。
公明党は北側一雄副代表が、自民党と同様に一代限りの特別立法で対処すべきだとの意見を伝達した。大島氏らは「特例法(特別立法)の根拠規定を皇室典範の付則に設けることについてはどう考えるか」と質問し、この点を主要な論点と認識していることをうかがわせた。北側氏は「検討の余地があり、柔軟に考えている」と答えた。
共産党は小池晃書記局長が、皇室典範改正による退位の恒久制度化を求めた。同日午後には、日本維新の会、自由、社民の各党などから聴取する予定。【大久保渉、朝日弘行】