政府の原子力災害現地対策本部は25日、福島第1原子力発電所の事故で屋内退避要請が出ている半径20~30キロの圏外の福島県内で、乳幼児を含む1~15歳の子供の甲状腺について被曝(ひばく)した放射線量を調べたところ、健康に問題があるとされるレベルを下回っていたと発表した。
調査は24日、同県川俣町の保健センターなど2カ所で66人を対象に実施。自然に存在する放射線量を除いた実質の被曝線量は最大で1時間当たり0.24マイクロシーベルトで、国の原子力安全委員会が定めた基準値(1時間当たり2マイクロシーベルト)を下回った。
放射性ヨウ素は乳幼児の甲状腺にたまりやすい性質がある。
川俣町役場は福島第1原発から約50キロ離れており、原子力安全委が発表した緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)で、甲状腺の被曝線量が比較的高いとされた地域に当たる。調査対象には、避難指示や屋内退避の対象地域から避難してきた子供も含まれているという。