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民進、自衛隊日報もブーメラン 民主政権時に南スーダン「戦闘」報告

産経新聞 2/20(月) 7:55配信

 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加している陸上自衛隊の派遣部隊が昨年7月に作成した日報をめぐり、衆院予算委員会で野党による追及が続いている。15日には民進、共産、自由、社民の4野党が稲田朋美防衛相の辞任を求める方針で一致した。

 確かに、当初は「不存在」とされた日報が再調査で見つかった経緯自体は粗末だった。もっとも、再調査を指示したのは稲田氏であり、日報が見つかったのは当初は調査範囲外だった端末なので、隠蔽(いんぺい)との指摘はあたらないだろう。

 民進党は、日報に記載された「戦闘」という文言を問題視している。PKO参加の前提となる紛争当事者間の停戦合意は崩れているという主張だ。

 だが、ここで民進党が触れない事実がある。旧民主党の野田佳彦内閣時代の平成24年春、隣国のスーダン軍が国境を越えて南スーダンを空爆し、他国のPKO部隊に被害が出るなどした。そして当時の報告にも「戦闘」と記されていた。

 それでも野田内閣は自衛隊の派遣を継続した。このとき自民党の佐藤正久参院議員の質問主意書には「主として(PKOの)活動地域外で発生し、規模も限定されている」と答え、武力紛争を否定している。

 いつものブーメラン芸だが、本当に懲りないとしかいいようがない。彼らが安全保障関連法の廃止を要求したときも、同党幹部らがかつて集団的自衛権の必要性を主張していたことが次々と指摘されていた。

 民進党が稲田氏を追及している最中の12日には、北朝鮮が新型の弾道ミサイルを発射した。それでも2日後の国会では防衛相を相手に日報の話ばかり。国民の生命財産に関わる重大事を脇に置く民進党に政権を担う資格があるとはとても思えない。(小野晋史)

最終更新:2/20(月) 12:28

産経新聞