2017.2.19 21:56

正男氏殺害、北朝鮮籍の男4人を指名手配 事件当日に出国

正男氏殺害、北朝鮮籍の男4人を指名手配 事件当日に出国

19日、マレーシア警察本部での記者会見終了後、手を挙げるノール・ラシド・イブラヒム副長官=クアラルンプール(共同)

19日、マレーシア警察本部での記者会見終了後、手を挙げるノール・ラシド・イブラヒム副長官=クアラルンプール(共同)【拡大】

 【シンガポール=吉村英輝】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が殺害された事件で、マレーシア警察は19日、事件後初めて記者会見し、逮捕済みの実行犯の女らのほかに、逃走中の男を特定したとして、北朝鮮国籍の容疑者4人の氏名などを公表した。一方、韓国統一省の報道官は同日、「容疑者が北朝鮮籍であることを考えると、金正男氏殺害の背後に北朝鮮政権がいる」との見方を示した。

 4人は、リ・ジヒョン(33)(マレーシア入国2月4日)▽ホン・ソンハク(34)(同1月31日)▽オ・ジョンギル(55)(同2月7日)▽リ・ジェナム(57)(同2月1日)。いずれも事件当日の13日、マレーシアを出国したという。警察が指名手配し、行方を追っている。

 警察は事件捜査の重要人物として別に3人の男が存在するとして、防犯カメラなどでとらえた顔写真などを公表。うち2人は北朝鮮国籍で身元が特定されている。もう1人は人定捜査を進めているとして、情報提供を呼びかけた。

 会見したマレーシア警察の副長官は、容疑者らの関係などについては「捜査中」とした。また、死因については毒物によるものとの見方を示したが、種類は確認を進めていると述べた。

 同事件では、事件に関与したとして首都クアラルンプールに居住していた北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル容疑者(46)をすでに逮捕している。リ容疑者について地元メディアは、北朝鮮の工作組織に所属していたことがある可能性を報じている。

 捜査関係者は、出国した容疑者4人の逃亡先が平壌であるとの見方を示した。また、逃走ルートについては、クアラルンプール~ジャカルタ~ドバイ~ウラジオストク~平壌で、飛行機の乗り継ぎを続けて本国に戻っていたとみられているとの情報もある。

 警察は4人が外交官旅券ではなく、一般旅券を所持していたとしたが、北朝鮮政府との関与には言及を避けた。(産経新聞)

今、あなたにオススメ
Recommended by
  1. サンスポ
  2. 芸能社会
  3. 社会
  4. 正男氏殺害、北朝鮮籍の男4人を指名手配 事件当日に出国