【シンガポール=菊池友美】マレーシア外務省は20日、13日に殺害された北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏の遺体引き渡しを巡り、マレーシアを批判した北朝鮮に抗議した。外務省に駐マレーシア北朝鮮大使を呼び、「マレーシア国内で起きた事件は同国が捜査の責任を持つ」と述べた。駐北朝鮮マレーシア大使をマレーシアに召還したことも明かした。今後、両国の外交関係の悪化につながる可能性がある。
マレーシア外務省は20日に発表した声明で、「我々は透明性を保ち、北朝鮮大使館に経過を報告している」と述べた。北朝鮮大使が17日夜、声明で「マレーシアは何かを隠すための時間稼ぎをしている」としたことに反論した。
正男氏の殺害を巡りマレーシア警察はすでに北朝鮮籍の男1人を逮捕し、同じく北朝鮮籍の4人を指名手配した。北朝鮮の組織的な関与が濃厚になっており、遺体の捜査は真相究明に欠かせない。マレーシア外務省の抗議は、検視抜きでの遺体の即時引き渡しを求める北朝鮮の主張を拒んだ内容だ。