ほうれい線はしわではなく、誰にでもある「構造上の溝」
骨格によって、目立つ人と目立たない人がいる
ほうれい線治療には注入による施術が効果的
もともとある“溝”だから、若くてもほうれい線は出る
“老け顔の代名詞”として、女性を悩ませる「ほうれい線」。
年齢を重ねると目立つようになること、ほうれい線が深くなるほど老けて見えることから、加齢によって生じるしわだと思われがちですが、厳密に言うとほうれい線はしわではないのです。
ほうれい線は、英語では「nasolabial fold(=鼻唇の溝)」、医学用語では「鼻唇溝(びしんこう)」と言います。
これは人間の顔にもともとある“頬と口まわりの境界にある構造的な溝”のことを指します。骨や筋肉といった土台の構造により生じた溝ですから、年齢とは関係ありません。
そのため、青春まっただなかの高校生でも、よく見ればほうれい線は出ているはずです。
ほうれい線の目立ちやすい人、目立ちにくい人とは?
同じ年齢でも、人によってほうれい線が目立つ人と目立たない人がいます。それは骨格的な特徴によって、ほうれい線の出方が異なるからです。
まず頬骨が高い人は、ほうれい線は目立ちやすいといえます。
もう1点、上あごの骨が飛び出ている人は、ほうれい線のくぼみも出やすくなります。
東洋人は人種的に頬骨が高く、かつ口元が前に出た骨格の特徴を持つため、ほうれい線が目立ちやすい傾向にあるといえるでしょう。
なぜ、加齢とともに目立ってくるの?
若い頃にほうれい線が目立たないのは、溝の上を脂肪が覆っているからです。けれど、加齢とともに骨がくぼみ、脂肪が減少して溝をカバーできなくなると、くぼみが際立つようになります。
さらに、加齢によって周辺の皮膚や筋肉がたるんで下がり、ほうれい線の上にかぶさるようになるため、一層目立つようになるのです。
一方で、ほうれい線ができやすい骨格の特徴である“頬骨が高い”人の場合も、利点があります。
加齢とともに下がってくる皮膚や筋肉が、頬骨に引っかかる、つまり頬骨が支柱代わりになるため、加齢によるたるみが進んでもほうれい線が悪化しにくいのです。
生まれつき頬骨が低い傾向にある西洋人が、若い頃は東洋人よりもほうれい線が目立たなかったのに、年を取ると年齢が顔に出やすくなるのはこうした理由からなのです。
ほうれい線を目立たなくするにはどうすればいいの?
ほうれい線を目立たなくするには、「プレミアムPRP皮膚再生療法」や「ヒアルロン酸注入」といった注入による施術が人気です。この場合には、頬の膨らみとのバランスなども考慮して注入します。
また、加齢によるたるみがほうれい線にかぶさって悪化させている場合には、頬骨の高い位置にヒアルロン酸を注入して頬に膨らみを持たせることで、ほうれい線を目立たなくする「ビスタシェイプ」という施術もあります。
こうした施術の仕上がりは、医師の技術力によって大きく異なりますから、経験豊富で確かな技術を持った医師やクリニックを選びましょう。