約2時間に及ぶ逃走劇を繰り広げたチンパンジーのチャチャ。歯をむいて人間を威嚇し、停電まで引き起こしたお騒がせに、地域は振り回された。
八木山動物公園に近い東北工大の1年大宮和真さん(18)は帰宅途中、電柱上にいるチンパンジーを目撃。「道路が封鎖され、事故かと思った。みんなが空を見上げる先に黒い塊が見えた」と当時の状況を語る。
たまたま通りかかった上山市の会社員関野秀幸さん(30)は「飼育員が網を持って追い掛けていた」と驚いた様子。近所の女性は「以前から脱走などが起きないか心配していた」と明かした。
電線を伝って逃げた影響で、停電も発生。東北電力によると、午後3時12分から約5分間、八木山地域の計1848戸が停電した。東北工大4年の高橋昇平さん(22)は停電発生時、教室で講義を受けていた。「突然プロジェクターが消え、講義が中止された」という。工大によると、学内のコンピューターシステム復旧に約2時間を要した。
動物公園から約500メートル南東の八木山小は2、3年生の下校を見合わせ、校内に一時待機させた。捕獲の知らせを聞いた山口敬司教頭は「これで児童を帰せる」とほっとした表情を浮かべた。
【写真特集】
<チンパン脱走>電柱伝い住宅街を逃走、捕獲
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