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 イタリア北部ミラノを象徴するゴシック様式の大聖堂前のドゥオモ広場に最近、約40本のヤシの木が植えられ、景観の是非をめぐって市民らの間で論争となっている。出資したのは伊各地への進出を計画する米コーヒーチェーン大手のスターバックス。進出への反感も相まって、右翼政党なども反発を強めている。

 伊主要紙レプブリカなどによると、ドゥオモ広場と熱帯植物のコラボはイタリア人建築家が発案し、コンペを経て決定。3月からはバナナの木約50本が追加で植えられる予定という。

 ただ、世界に名高いゴシック建築の大聖堂と向き合う形で南国の庭を再現する試みには、著名な建築家らから反対意見も少なくなかった。地元ミラノのサラ市長もインスタグラムで市民の意見をうかがうように、「よい考えか否か? ミラノは大胆な街だけど」と戸惑い気味。

 反移民を掲げる右翼政党「北部同盟」は、スタバが難民の雇用を検討していることに反発。突如現れた熱帯の庭にも不快感を隠さない。サルビーニ書記長は15日、党のフェイスブックに「あとは猿とラクダがいれば、イタリアにアフリカができる」と皮肉った。

 伊メディアによると、スタバは来年後半にもミラノやローマで最初の店をオープンする予定。5~6年のうちに伊全土に200~300店舗を展開する目標という。(ローマ=山尾有紀恵)

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