【社説】サムスン電子副会長逮捕、裁判所は冷静な判断を

 サムスン電子副会長の李在鎔(イ・ジェヨン)氏(48)が17日に逮捕された。79年のサムスンの歴史でトップが逮捕されるのは今回がはじめてだ。裁判所は「新たに提出された犯罪容疑に関する追加の証拠資料などから総合的に判断した結果、逮捕の理由とその必要性が認められた」とコメントした。つまり先月一旦逮捕状が棄却された時にはなかった別の証拠が、今回新たに出てきたというのがその理由だ。この新たな証拠とは、元大統領府政策調整首席秘書官の安鍾範(アン・ジョンボム)被告の手帳に書かれていたメモのことで、これには李容疑者が大統領府に特別な計らいを求めたことをうかがわせる内容が記載されていたという。

 また特別検察は▲赤字企業のサムスンバイオロジックスの上場▲環境規制の緩和▲サムスン生命の持ち株会社化-などについて李容疑者が大統領府に支援を要請したことと、これに朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が配慮を指示したとする安被告の証言も確保したと説明している。つまり李容疑者は朴大統領に特別な計らいを要請し、その見返りとして崔順実(チェ・スンシル)被告に巨額の資金を支払ったというのが特別検察の主張だが、これを裁判所が一旦認めたわけだ。

 これに対してサムスン側は問題の資金提供について「財団に資金を拠出し、乗馬に関する支援を行ったのは大統領と崔順実氏の強要を受けたため」と反論しており、また朴大統領と李容疑者の2人だけの会談についても「サムスン関連企業の上場や、サムスン生命の持ち株会社化への支援といった具体的な要請はしていない」という趣旨の反論を行っている。確かにサムスンバイオロジックスは米ナスダックへの上場を一旦は目指したが、韓国の証券取引所や国内の投資家からの要請を受けて韓国で上場することになったの事実であり、サムスン生命の持ち株会社化についても、これをサムスン自ら取りやめたことは確かな事実だ。

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