ヴァン・ダイン『ファイロ・ヴァンス』シリーズの読む順番とおすすめはこれ!
あなたは「ヴァン・ダイン」と聞いてぽかんとした口ですか?
というネタが気になる人は綾辻行人『十角館の殺人』→米澤穂信『インシテミル』の順に読んでみるとにやりとできるかもしれません!
この人は作品よりも著者の名前で有名になっている感がありますね。
あの「ヴァン・ダインの二十則」のヴァン・ダインです。
今時この二十則に反してるから論外だ!なんて気焔を吐くような人もいないと思いますが、新本格の台頭くらいまでは結構本気で従っていた人もいる気がします。
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『ファイロ・ヴァンス』シリーズ読む順番
1.ベンスン殺人事件☆
2.カナリヤ殺人事件
3.グリーン家殺人事件★
4.僧正殺人事件☆
5.カブト虫殺人事件
6.ケンネル殺人事件
7.ドラゴン殺人事件
8.カシノ殺人事件
9.ガーデン殺人事件
10.誘拐殺人事件
11.グレイシー・アレン殺人事件
12.ウィンター殺人事件
一応シリーズ12巻なのですが、『カブト虫殺人事件』以降は非常に入手困難な状態になっています。
僕も『僧正殺人事件』までしか読めていませんし、新訳を待ち望む一人です。
東京の図書館に行けばきっと読めるんでしょうね…。
『ファイロ・ヴァンス』シリーズのおすすめ
普通に楽しみたいだけなら、僕は☆マークの付いた『ベンスン殺人事件』と『僧正殺人事件』を推します。
この2冊は新訳が出ているので非常に読みやすいですし、普通に楽しめると思います。
僧正の方が世間的な評価は高いですね。
僕もどちらかといえば僧正の方を推すかな、というところ。
で、★が付いている『グリーン家殺人事件』ですね。
ファイロ・ヴァンスシリーズで一番有名なのは恐らく『グリーン家殺人事件』です。
書評家やミステリ作家の間では必読と言う人もいます。
でも残念ながら新訳は出ておらず、旧訳が未だに再版されて売れ続けているわけですね。
(売れてるので新訳はこないんじゃないかなあ)
で、なぜこの作品が有名でかつ必読のように語られているのでしょう?
実は多くの作家がこの『グリーン家殺人事件』に影響を受けていて、下敷きにして書いた作品が多いからなんです。
もう典型的な館モノですね。
一番最初の館モノがまさにこの『グリーン家殺人事件』ですよ。
あの三大奇書が一冊、小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』も明確に『グリーン家殺人事件』の影響を受けた作品です。
(作中で名前が出てくるくらいです)
だからミステリホリックを目指すのであれば、知識として読んでおいたほうがいいのですが…。
「最近ミステリ読み始めました」という方には、古い飜訳だったり字が小さかったりが原因で、途中で挫折してしまう可能性があります笑
というわけで、普通に楽しみたいだけの人には新訳の2冊がおすすめですね。
(今調べたらカナリヤも絶版になってる…!?)
※アイキャッチ画像はネットにいい画像がなかったので、本棚から『グリーン家殺人事件』引っ張ってきました。