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動物園で鳥インフル「不慣れな対応で苦労」 名古屋 副園長が語る

動物園で鳥インフル「不慣れな対応で苦労」 名古屋 副園長が語る

東山動植物園で発生した鳥インフルエンザの対応について、インタビューに答える動物園の茶谷公一副園長

 東山動植物園(名古屋市)で発生した鳥インフルエンザに対応した動物園の茶谷公一副園長に課題や改善点を聞いた。

 -苦労した点は。

 「動物園の鳥に関して国の指針は具体的な点まで示していない。対応に慣れておらず市との連絡がスムーズに行かなかった。特に、感染確定の検査をどこに頼むのかや防疫をどこまでやるべきかなどで困った。国はルールを明確化すべきだ」

 -園独自の対策マニュアルもあったが。

 「環境省と農林水産省の指針を参考に作ったが、実効性に乏しかった。まさか本当に感染が起きるとは思ってなかった」

 -マニュアルには何を盛り込むべきか。

 「例えば、発生した時の園への入場制限、休園エリアの設定の仕方。消毒をやり残しなく行うためには閉鎖エリアを大きくするのは逆に危険。エリアを限定的にして確実に消毒すべきだ。伝染病対応は迅速さが求められる。情報を得るためにどこに相談するか明確にしたほうがよい。こうした点を盛り込んだマニュアルが必要だ」

 -他の動物園へのアドバイスは。

 「未然の防止対策はもちろんだが、万が一発生した場合には二次感染を徹底的に防ぐこと。隔離や消毒の方法を事前にシミュレーションし、態勢を整えておくべきだ」

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