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【外交・安保取材の現場から】
「マッド・ドッグ」が中国に送ったメッセージ 防衛省幹部「オーラが違う」
マティス氏の存在が日本政府にとって安心材料であるのと同様に、中国共産党指導部も、軍事力行使を否定したマティス氏の発言に胸をなで下ろしているかもしれない。しかし、中国が喜ぶのはまだ早い。マティス氏は「今この時点では」「現時点では」と繰り返し、米政府の判断が変化する可能性も示唆している。
中国が聞く耳を持つなら戦わないが、これまでと同じように人工島建設を進めるのであれば、米軍は中国軍と衝突することを辞さない-。数々の戦場を渡り歩いたマティス氏は、硬軟織り交ぜたメッセージを送った。戦う修道士は防衛省内の記者会見場に身を置きながら、中国とのパワーゲームに臨んでいたのかもしれない。(政治部 杉本康士)