2017.2.17 21:26

沙羅、7時間遅れで帰国 疲れた表情も「そんなことを言っていられない」/ジャンプ

沙羅、7時間遅れで帰国 疲れた表情も「そんなことを言っていられない」/ジャンプ

平昌でのW杯から帰国し、取材に応じる高梨沙羅=成田空港

平昌でのW杯から帰国し、取材に応じる高梨沙羅=成田空港【拡大】

 来年の冬季五輪のプレ大会として韓国・平昌で行われたノルディックスキーW杯ジャンプの女子個人戦(15、16日)で、2季連続4度目の総合優勝と、通算史上最多タイの53勝を挙げた高梨沙羅(20)=クラレ=が17日、成田空港に、当初予定から7時間も遅れて帰国した。

 成田空港上空の強風のため、搭乗機は午前10時(日本時間同)出発の予定を6時間遅延させた。同じ会社の1時間前の便は、ほぼ定刻通り成田についており、タッチの差だった。さらに午後4時の予定から20分あまり遅れて出発した機は、関東上空で旋回して順番待ちを繰り返し、1時間遅れで到着。合計7時間遅れの午後7時10分に着陸した。

 “風で飛べない”ことは、競技で何度も経験しているが、さすがに6時間も待たされることはない。しっかりメークしている高梨だが、表情はげっそりしていた。「寝ていないから、声がガラガラで…」

 平昌の宿舎を出発したのは午前3時。「寝ていたら起きられない」と、前日の試合後も一睡もしていなかった。空港で通常の時間に機内に入り、1時間ほどまどろんだが「気がついたら、まだ飛んでいなかった」。いったん降機して「みんなでご飯を食べました。私はビビンバを」。その後も「『寝たら起きられないと思って…」うとうとしては起きてを繰り返していたという。大会へ向けて日本を発つ前は「空港の免税店でコスメを見たい」と話していたが、「眠くて、そんな元気はありませんでした」。

 平昌では第17戦で2位となり、W杯の総合優勝が確定。翌日の18戦で優勝し、グレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)の持つW杯歴代最多記録に並んだ。最大の目標としていた、五輪本番会場のジャンプ台の感覚をつかむこともできた。「1日目でアプローチスピードが出ていなかったのを、2日目ではしっかり出せた。分析していく力が、少しはついていると思う」と1年後への手応えもつかんだ。

 この勢いで、念願の世界選手権個人初優勝を-といきたかったが、この騒ぎで調整に支障を来す可能性も。ノルディック世界選手権(フィンランド・ラハティ、22日開幕)へ向けて日本を出発するのは20日。この日は早めに帰国してゆっくり疲れを取り、その後の2日間は東京都内で調整する予定だったが…。それでも「この後、運転してくれるスタッフが大変なので、私がそんなことを言っていられない」と気遣っていた。

  • 7時間遅れで成田空港に帰国した高梨。ばっちりメークも、お祝いの花束を受ける表情はお疲れの様子=成田空港
  • 7時間遅れで成田空港に帰国した高梨。ばっちりメークも、お祝いの花束を受ける表情はお疲れの様子=成田空港
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