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【ビジネス解読】
消費者物価急騰におののく韓国…政策目標達成も「庶民は死んじゃう」「既にスタグフレーション」の悲鳴
さらに約3300万羽が殺処分となった韓国の鳥インフルエンザによる鶏卵や卵加工品の価格高騰が、外食値上げに拍車をかけたという。1月の消費者物価指数でも、卵の価格は前月比50.8%上昇した。また、他の農産品も昨年末から値上がりが続いており、白菜は11.4%、ジャガイモは26.4%それぞれ上昇したという。
韓国政府は卵の緊急輸入を行ったほか、白菜や大根などの生鮮品については、政府備蓄の放出などによる価格抑制策に乗り出した。それでも韓国農水産食品流通公社の調査によると、白菜は平年の約2倍近い水準だという。
消費者心理も低迷、スタグフレーション危機も
食品価格が高騰する一方で、韓国の消費者心理や企業の景気見通しは、過去のアジア通貨危機やリーマンショック時並みに冷え込んでいる。
韓国銀行(中央銀行)がまとめた1月の消費者心理指数(基準値100)は93.3と3カ月連続で悪化した。リーマンショック後の09年3月(75)に次いで低い水準だ。
同様に大韓商工会議所が全国の製造業約2400社を対象に行った今年1~3月の景気先行指数は68となり、16年10~12月期から18ポイント悪化した。同指数が60台となるのは、国際通貨基金(IMF)による韓国救済がなされた通貨危機直後の1998年と、リーマンショック後に続き3度目だ。