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本部

ドラマチック・マリッジ

一 一

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
8人 / 4~8人
英雄
8人 / 0~8人
報酬
無し
相談期間
5日
完成日
2017/02/12 20:04

掲示板

オープニング

●事実は小説よりも奇なり……?
「夫、ケースケ。健ヤカナル時モ、病メルトキモ、妻ヲ愛シ支エ合ウコトヲ誓イマスカ?」
「はい、誓います」
 この日、とある教会で1組の男女が神の前で永遠の愛を宣誓していた。
 雰囲気重視の片言アルバイト外国人牧師が、タキシードを着た男性の決然とした首肯に微笑みを浮かべ、傍らに立つ純白のウエディングドレスに身を包んだ女性へと顔を向ける。
「妻、ノゾミ。健ヤカナル時モ、病メルトキモ、夫ヲ愛シ支エ合ウコトヲ誓イマスカ?」
「誓います」
 同じ問いかけを受けた女性も、穏やかな笑顔で肯定した。牧師の表情もまた優しげに緩み、聖書を広げた。
 ここで行われているのは、H.O.P.E.職員同士の結婚式。参列者も親族や友人以外にH.O.P.E.職員も大勢混じっており、中にはエージェントの姿も散見された。
 交際期間三年ほどで、新郎である圭介が先日プロポーズを行い、新婦の望美が快く了承。関係各所への報告や式の段取りをすませ、あれよあれよという間に今日を迎えていた。
 それぞれの両親はうっすらと目に涙を浮かべ、子どもたちの晴れ舞台を温かく見守っている。その背後にいる一部の同僚やエージェントから、笑顔で隠す嫉妬や焦燥をぐちゃぐちゃに混ぜた負のオーラがまき散らされているが、出来れば何も知らないまま綺麗に式を終えて欲しいところ。
「デハ、指輪ノ交換ヲ」
『愛』の定義について書かれた新訳聖書の一節を読み上げた牧師は、結婚式における最大の見せ場へ突入させた。
 新郎新婦が向かい合い、新郎が新婦の左手薬指に指輪を入れる。事前に受けたレクチャー通りスムーズに行え、当人たちも一安心して表情が綻ぶ。その様子を見た負の権化たちは眉間に一瞬だけしわを刻み、不快感を露わにした。
「ソレデハ、誓イノキスヲ」
 そのまま牧師は、新郎新婦にベールアップを促す。
 やや緊張した面もちで新婦の眼前を覆ったベールをゆっくり取り払った新郎は、見慣れたはずの女性の美しさに思わず息を飲む。ノロケた空気感を敏感に察知した負の参列者は、漏れ出ようとする舌打ちを懸命に我慢した。
 そして、ゆっくりとお互いの唇が重なろうとした、まさにその時。
「……ちょっと待ったぁっ!!」
 教会の扉が、勢いよく開け放たれた。
「その花嫁は俺の物だ! お前みたいな男が、気安く触れていい人じゃない!!」
 乱入してきたのは、新郎と似た白いタキシードをびしっと決めた、新郎と同年代くらいの若い男性。バージンロードを大股で歩いていく彼の背を、参列者は唖然と見送るしか出来ない。
 なお、一部からは何かを期待するキラキラとした視線が注がれている。
「だ、誰だお前は!? どういうことだ、望美!?」
「え? ……えぇ?」
 大いに狼狽える圭介をよそに、突然の展開に望美は困惑するばかり。
「お前には関係ないだろう? これは、俺と彼女の問題だ!」
「あ、ちょっ!?」
 すると、式場内の混乱が収まりきらない内に乱入した男は新婦へ接近すると、一瞬でお姫様抱っこをして走り出した。
「ま、待て!!」
 追いかけようとした圭介だったが、相手はリンカーだったらしくあっという間に扉の外へ消えていく。
 呆然と姿を消した新婦たちの背へ手を伸ばす新郎の姿は哀れと言う他なく、会場内には気まずい空気と、一部の参列者から小さく力強いガッツポーズが生まれた。
「……はっ!? 呆気にとられている場合じゃありません! 皆さん、彼女を追いかけてください!!」
 だが、我に返った1人の職員が声を張り上げ、エージェントたちに追跡を指示した。その職員は新郎新婦の上司であり、結婚を祝福していた参列者の良心の1人でもあり、非常に優れた判断力を有していた。
 ドラマなどで見たことがあるシーンだが、さすがに現実問題としては略取・誘拐罪に問われる立派な犯罪。しかも、乱入者の身体能力を考えれば相手はヴィランと判定するのが妥当であり、逮捕をエージェントたちに依頼するのは自然だった。
「気をつけてください! 見る限り乱入した男は彼女の同意を得ないまま連れ去りました! 場合によっては、新婦に暴行などを加える危険性があります! 彼女の身の安全を最優先に、速やかに確保してください!」
 現状を理解したエージェントたちが慌てて共鳴し、2人を追って飛び出した背後から、上司職員の声が届けられる。
 エージェントたちは気を引き締め、追跡を開始した。
「……は~。こんなこと、現実に起こるもんなんだなぁ」
 その後、静寂に包まれた教会内で響くやたら流暢な牧師の日本語が、取り残された参列者の耳に届けられた。

●痴情の、もつ、れ?
 そして、まんまと望美を連れ出した乱入者は、胸に抱く新婦へ声をかけていた。
 圭介は知らなかったようだが、言動からすると乱入者は望美の元カレであろうと想像できる。また望美のリアクションからしても密かに計画された犯行であり、これから説得などを行うのだろう。
 男と女の関係は複雑だ。
 理性でわかっていても、感情が納得できないことなど、往々にして存在する。
 行動してしまった乱入者の男も、もしかしたら望美と話す内に冷静になるやも――
「貴方誰ですか!? 私、貴方の顔に覚えがないんですけど!?」
「え!? あぁ、ご挨拶が遅れました、初めまして!!」
『ウチのバカがゴメンねー。でも、しばらく付き合ってあげてねー』
 ――いや、事態は思った以上に複雑かもしれない。

解説

●目標
 新婦誘拐犯の逮捕
 新婦の安全確保

●登場
 圭介…結婚式の主役その1。訳も分からないまま新婦を奪われた新郎。一部の参列者からは心の中で『ザマァ!!』と思われている。

 望美…結婚式の主役その2。現状の情報量が圭介とほぼ変わらないという悲劇(喜劇?)のヒロイン。犯人へ猛抗議するも、一般人のため自力での脱出は不可能。

 広明…望美を拉致したヴィラン。回避適正。望美との関係性を臭わせておきながら初対面らしく、犯行動機は不明。現在、花嫁を抱えながら純白タキシード(レンタル)かつ全力疾走で町中を逃走中。

 イナティオ…広明と共鳴する女性英雄。シャドウルーカー。間延びした口調で望美と広明の口論の仲裁役。広明の行動を止めることなく、成り行きに身を任せて戦闘を担当。

 能力…回避・移動↑↑↑、防御・イニシアチブ↑、攻撃・生命力↓

 所持武装…太刀・鞘・拳銃

 スキル(詳細効果はスキルルールにほぼ準拠)
・霊奪…回数×3、射程=武器依存、単体物理、物攻-100、命中-10。
・影渡…回数×5、自身対象、回避+300。
・ターゲットドロウ…回数×5、回避+100(カバーリング対象は望美に固定され、望美救出を妨害)。

●状況
 教会から出撃したエージェントたちは聞き込みを行いながら追跡。付近の公園でヴィランを発見し、戦闘に突入。大きな噴水を中心に、休日の昼間を楽しむ一般人や家族連れなど衆人環視の中、正装したままの戦闘により非常に目立つ。空は快晴で穏やかな日差しが降り注ぎ、周囲からは好奇の目とスマホレンズとフラッシュが注がれる。
 遭遇時までに望美へ危害を加えた様子はなく、ヴィランの背中を呆れながら見つめている。意識の主導権は広明が握り、肉体の主導権はイナティオが握る。よって、口がよく回る割に戦闘の動きは洗練されていて侮れない。

プレイング

加賀谷 亮馬aa0026
機械|22才|男性|命中
【交友】
加賀谷 ゆら(亮馬の呼び方:ゆら 関係:夫婦)
英雄 シド(亮馬の呼び方:シドさん。何か切羽詰まった時は勢い余ってお義父さん)

【心情】
エボちゃん『詰めが足りんな』
亮馬「と言うと?」
『本気で好いているのなら何故この状況になるまで放置していたのかが分からぬ。公衆の場で掻っ攫う気概は中々だがな』
「…えーと、ああ、つまり…好きなら事前に対策をして立ち回っとけと言う?」
『うむ』
「なるほど…?」
結婚式には妻であるゆらと共に参加。めでたいことだと祝福するが、突然のヴィランの乱入からの新婦誘拐に呆然してしまう感じ。
エボちゃんは今回鎧は幻想蝶の中にしまい生身の姿での参加。あのヴィランも思い切った事をするではないかと場違いな感想を抱いていたり。

【行動】
ゆらと基本的に行動を共にする。連携プレイ重視。
新婦救出を最優先、他の仲間が隙を作ったのを見計らって行動。
出来るだけ新婦に近い位置に配置出来るよう動く。(アルマータ装備による潜伏判定補正を利用)
動く際はエクリクシスをどんなタイミングからでも地面に叩きつけられる体勢でいる。
ヴィランが気づいた場合、ゆらの攻撃による閃光の発生に合わせて地面に大剣を叩きつけ爆発エフェクトを発生。目くらまし。その隙に新婦を救出。それでもヴィランが追随した場合はゆらに新婦の救出を任せ足止めを行う。
スキルを使用。一気呵成で相手の転倒を狙う。
当たらぬ場合はとりあえず動きの阻害となる事を狙い大剣を振り回す。
大剣のリーチ、爆発エフェクトを利用して敵の動きを制限する。
「何がしたいのかは知らないが、新婦はもってくぜー!」
『そういう事は一々言うでないわ。さっさと動くぞ』
「おっけー!」

【戦闘後】
結婚式も何とか無事終える事が出来れば再び祝福。
こういう風に皆に祝福されるのもいいよなぁとか思いながらゆらからの露骨な視線には
「さ、流石に早く決めないとな」と少々焦ってしまう亮馬さんであった。
御童 紗希aa0339
人間|16才|女性|命中
紗希「カイ
カイ『マリ
アドリブ絡み歓迎


『なんかさー
ご祝儀払って人の嫁の晴姿見て
この追跡劇もボランティアだろ?どーせ
ここ一年俺どんだけ周りの寿報告聞いてんだよ
「そんなに知り合いが結婚した事嫉ましいの?
『別にそんな事ねーけど…けどさー…
「もー!ちっさい35歳だなー

事前行動
参列者のサプライズ演出又は故意の式妨害の線で調査

式場内HOPE職員に
挙動不審な参列者がいないかのチェック要請
いた場合個別に聴取要請


公園内
スマホで写真を撮りヴィランの過去の犯罪歴の有無をHOPEに調査要請
公園内を見回し不審者が居ないかの確認

通信機とスマホでメンバーとの連携及び情報収集
共鳴解き別行動

カイ
市民に向けての避難勧告
ヴィランの動向監視と投降に向けての説得

ネクタイ緩め拡声器で
『公園内の方々注目して下さーい
こちらHOPEエージェントです
不審者が公園内に潜伏していると通報を受け現在捜索中です
『一般の方は非常に危険ですので直ちに公園から退去をお願いします
エージェントが誘導を行いますのでそれに従い落ち着いて避難して下さーい
『ハイそこ!カメラは向けないで下さーい

メンバーが各ポジションにつき易い様こちらに注意を向けさせる行動を取る

紗希
避難誘導にあたる
誘導終了後は戦闘に突入した場合を考慮しカイと同行動


対ヴィラン
式場及びHOPEに要請していた情報が入ればそれを材料に入れ説得開始

『投降すんなら今の内だぞ
いくらアンタの能力が高いと言ってもこれだけの人数相手にしたら
弾切れ起こすのも時間の問題だ

『数キロ先の針も狙える狙撃手がアンタの眉間狙ってんぞ?
死にたくないならムダな抵抗はやめた方がいい

『平和的解決を提示してる今がチャンスだと思うけどねぇ

脅し要素込みで
抵抗しても無駄という事を相手に悟らせる行動優先

相手が戦う意思を示した場合のみ武力行使で対応
隙を見てスキル使用試みる

敵負傷時アイテムにより応急処置
自己回復アイテムは生命30%以下使用
麻生 遊夜aa0452
機械|32才|男性|命中
『…(全身の毛逆立ち
「あー…こりゃやばいな

祝福ついでに花嫁に自身を重ねてた為、引き離された上に触れられてリーヤさんは激おこな模様
共鳴の主導を奪われて全力で追いかける羽目に、宥めて主導を取り返しつつ追跡して公園へ
街中の為、避難誘導するであろう人らに拡声器を渡しておくかね

遠目に確認、または場所の連絡が来た場合…射程に捉えつつ主力の反対側へ回り込み、木や照明、遊具や建物等の上にて射線を確保し潜伏・狙撃体勢を
「…あの身のこなし、相当の熟練者だな
『…ん、絶対に、当てるの(尻尾ゆらゆら
良い場所がなく一般人により射線が通らない場合…阪須賀さんとは他人の振りしてサクラを補助し一般人を遠ざけつつ回り込み、射線の確保と包囲を試みる
「すまんね、危ないんでもっと下がって貰えるか?
『…当たったら、痛いじゃすまない…よ?(クスクス

双方の動きに注目しつつ待機、決裂後は即行動開始だ
「花嫁の無事が最優先だ、怪我などさせられん
戦闘時は逃げられないよう脚を中心に叩き込み、敵の利点を潰すついでに体勢を崩させる予定だな
たまに頭や顔を狙い気を逸らして牽制し味方の援護を行う
味方の牽制や花嫁のカバーに入った際に動きが鈍った所をストライクで狙うのもありかね
潜伏出来ていた場合はハウンドドックの静音性や外野の騒めき、フラッシュで奇襲しやすい…か?
一般人、花嫁がちゃんと離れてる場合はヘパイストスに換装、物量で潰す

花嫁奪取の際は直前にダンシングバレットを撃ち込んで足止め狙いだ
「一辺倒な攻撃ばかり、と思っただろ?(ニヤリ
『…切り札は、先に見せちゃダメ…よ?(クスクス

何故こんなことしたか知らんが
「何にせよ、大人しくしてろよー?
『…ん、お縄ー♪(ザイルによる捕縄術でキツ目に巻き巻き
リーヤさんはまだお怒りの模様
一通り満足したらさっさと花嫁届けて結婚式の再開と行こう
「さぁ、花嫁さんのお帰りだぜ!
『…ん、今度こそ!(ムフー

アドリブ、絡み大歓迎
加賀谷 ゆらaa0651
人間|23才|女性|命中
【交友】
加賀谷亮馬(aa0026)(亮ちゃん・夫)&エボちゃん
麻生さん(aa0452)&リーヤさん
紗希さん(aa0339)&カイさん

【心情】
ゆら「どんな事情があるにせよ、人の結婚式ぶち壊すとか、ほんと許せない」
シド『お前も新婚だから、余計に思うところがあるだろうな』
「同じ女性として、絶対許さない。ぶっ飛ばす」
『はっきりしてるな。本当に』

〈結婚式〉
 ゆらは当たり障りないドレスで結婚式に出席。シドは着慣れないフォーマル
 亮馬・エボと結婚式に出席。職員同士の結婚を喜ばしいと心から祝福している
指輪交換の時に(そう言えば、私たち、まだ式挙げてないのよねえ)
先延ばしになっている自分たちの結婚式のことを思い、少し羨ましい気持ちに
 
新婦が攫われたときは驚いたが、すぐに教会を飛び出すために立ち上がる
「シド、行くよ!」

【行動】
亮馬たちと行動を共にして、亮馬との連携を重視
「一般人が多い……」
『誘導は任せて、俺たちは花嫁の安全を優先するぞ』
「りょーかい」

最初から相手の死角に位置取り、説得の間も隙を窺う
隙を見て花嫁を奪取。すぐに彼女を連れ、その場を離脱(麻生さん援護射撃期待)
新婦に近付いた時、相手に気付かれた場合は『スクロール「ダイアモンドユーリス」』の閃光で目くらまし。
それでも追いかけられそうなときは、亮馬の一撃と同時に、スキル『重力空間』で動き阻害(範囲外の麻生さん援護射撃期待)
戦闘は残った人に任せ、とにかく新婦を安全な場所に連れて行く
新婦の安全を確認後、新婦の様子が落ち着いているようなら公園に戻り戦闘参加。不安定なようなら、一緒にいて彼女のケア

新婦から話を聞いて
「初対面でこんな大それたことするとか、ほんと信じらんない」
『奴の目的が、ただエージェントを引っ張り出して、エージェントと戦いたかったとかだったら……』
「ぶんなぐる」

【解決後】
「いろいろあったけど、結婚式素敵だったー」
亮馬ちらっちらっ
黒金 蛍丸aa2951
人間|16才|男性|命中
・英雄と結婚式場での警備を担当していた。
(あまりに突然の花嫁略奪だったので、ビックリしている)

犯人を追いかけながら、公園へ
公園内の避難誘導を英雄と別々に開始
一般人もヴィランと思っていない様子のようなので騒ぎにならないよう「大立ち回りをするかも知れませんので申し訳ないが」という
やんわりとした言い方で十分な距離を取ってもらう

家族連れが多いようなので、子供には注意

避難誘導で距離を取った状態で待機し、カイさん達の説得の成り行きを見守る
説得が上手く言った場合、花嫁をゆらさんに任せ、犯人に理由を聞く
説得が失敗した時は犯人の死角からの取り押さえを考え、タイミングを見計らう

戦闘になった場合、茨稀さん、柳生さん、阪須賀さんのカバーに徹する
当人たちの攻撃が当たりやすくなるように牽制を行い、敵の回避タイミングをずらす

追いかけっこになった場合は、「追いかけ班」「待ち伏せ班」に分かれるような段取り
「追いかけ班」を希望しているが、「待ち伏せ」に人が十分でないと判断したなら「待ち伏せ」での行動

ただの愉快犯なのか、理由があってのことなのかで対応変更
理由があり、それが真面目なものであった場合(特に花嫁の幸せに関わりそうなもの
花嫁に相談し、どうしたいかを聞く
もしも、花嫁側に誘拐される理由があった場合は真剣に対応

式に間に合わせるように気をつけ、時間が掛かりすぎるようならば、実力行使での犯人確保、花嫁奪還に切り替え、全員に伝達
確保にはセーフティガス使用
犯人逮捕後に理由を聞く

教会から公園までの距離が分からないため、移動手段(バイク)を使えるかどうかを確かめておく
使える場合は教会から公園までバイクで移動し、停めておく
花嫁を奪還し教会まで後ろに乗せて向かう

もしも、花嫁を誘拐したことに真面目な理由があった場合
教会には筋を通すために花嫁を送っていくが、そこからの行動は花嫁に任せる
自分の道は自分で選んで欲しいですから

茨稀aa4720
機械|17才|男性|回避
『…うっ…わ!何コレ、ドラマみてェだな
『こんなトコに居合わせるなんて、フツー無いってモンだぜ
「…ファルク、不謹慎です。ま、貴方に謙虚さは求めてませんけど
『冷たい…っ!茨稀の心が氷のように冷たい…っ!!
「…当たり前でしょう?
「さぁ、さっさと行きますよ

追掛ける際
現時点=結婚式参列での衣裳では目立つ為、イメージプロジェクター使用
目撃例は幾らでも在るハズなので、周囲に聞込みしつつ犯人を追う

犯人潜伏先
まず、その場に入る前に潜伏使用
其の儘、回り込むように潜伏先へ侵入し、隠れて犯人達の様子を伺う
その際には鷹の目も使用し、犯人の挙動を其方から探る
また、逃走を図った際にも鷹の目で逐一、逃走方向を仲間に伝達

犯人と対峙
仮に戦闘になった際は、猫騙で犯人の行動を乱す
また、そのことに因って仲間の攻撃が通り易いように考慮
足先や足捌きを良く見て、犯人の次手や移動方向を確認
その方向に先手を打って攻撃に出る
消火器を顔に向け噴射し、隙を作ることも頭の隅に置いておく
但し、戦闘せずに話し合いで済むのであれば、積極的戦闘は控える

理由
花嫁と犯人を別々にして、それぞれの話を聞く
何らかの因果関係が在るのか、それとも2人は全くの無関係なのか確認
後者であれば犯人の言葉を良く聴き、その後の処遇を決める
前者であれば2人の問題なので口出ししない方向性を取る
但し、結婚式最中に尽き、時間の無駄になるならば後日でも可


アド/絡み可
称号歓迎
柳生 正義aa4856
人間|18才|男性|攻撃
「」能力者
『』英雄


一部の負のオーラについて言葉にはしないが呆れ
それだけならまだしも花嫁をさらわれた事態に対してその態度はいかがなものか
ヴィラン追いかけ聞こえなくなった時点で呆れのため息を解禁
「まったく学生の悪ふざけじゃないだろうにな」
『略奪愛、は流石に騎士の名折れでしょうね』
「安心したぞ。その程度の良識は流石にまだ捨て去ってはいなかったか」

例えどんな事情があろうとも花嫁をさらうなどお話の中にとどめておけという認識
花婿側に問題があるのならばどこぞの相談所にでも通えば済む話
花婿側に非がなかった場合この騒動でついた恥をどう責任を取ってやれるのかと問いただしたい
『口に出して語ればいいでしょうに。沈黙は金といいますが、遠慮のしすぎもどうかと思いますよ?』
「そういうのはお話の中の正義の味方の仕事だ」

まずは一般人の避難誘導
いたずらに騒ぎが大きくならないように「ヴィラン」を連想させる言葉はオブラートに包む
すでに騒ぎが大きくなっている気がするが乱痴気騒ぎの鎮圧と逃走犯の捕縛では印象も違うだろう
「ドラマか何かと勘違いしているのか? それとも心臓に毛が生えているだけか? どちらにせよ大立ち回りの可能性を伝えて安全な場所まで下がってもらうか」
説得やら戦闘やらは避難誘導が終わってから参加

戦闘になった場合逃がさないように逃走の隙間を埋めるように包囲参加
ダメージより捕縛重視でタックル、そのまま不恰好でも組み付ければ重石として機能するだろう
『そのファンシーな盾は使わないんですか?とても似合ってなくて素敵ですよ』
「両手が開いているほうが重要だ」

個人的に積極的にではないものの何でこんな事をやったのか動機は聞いておきたい
捕縛成功時「で、なぜこんな事を?」
あきれ果てた理由だった場合ひどく面倒くさそうにだけど丁寧に説得
「だからこういう事は以後やめろ。男の価値を下げるぞ」
花嫁のフォローは花婿の仕事なのででしゃばらない
阪須賀 槇aa4862
獣人|20才|男性|命中
▲開幕
可能なら機械に強い事を活かした臨時アルバイトの体で参加
「リア充爆発しろリア充爆発しろリア充…
『OK兄者、めでたい席で呪詛を吐くのは止めようか

『…が、真面目に不幸になるのを見過ごすのはなぁ
「Yes!ジェラシー!Noタッチだ弟者!
『意味が分からん、やるって事で良いのか?
「ザッツライッ!
『……意気揚々なのはいいが、どうも…相手は俺達よりずっと強そうだぞ
「う…っ
『…兄者、俺に考えがある、良く聞くんだ


▲行動指針
地味さを活かし、一般人を装う事で以下2つを実行
1)サクラとなる事で民衆を遠ざける
2)敵の意識外からの奇襲

無線を繋ぎつつ、仲間と共に現地に向かう

▲1)
敵の後方辺りから、スマホを構えてニヤニヤしながら接近
「何だこれ…何かの特撮?
…謎の怪盗、新婦攫ってるナウ…っと

避難を呼びかけられたら一般人がなるべく離れるようにそれとなく煽る
「あのー、これってリンカーを使った撮影です?
「あぁ、じゃあ…(話し易そうな人を探し)
下がりましょう、AGWを使わないだけでガチでやるらしいですから、何かカスるだけでも僕らミンチですよ

恐がらない人には
「あーあと、下がれって聞いててカメラに映っちゃうと、悪質な時は1テイク分、お金請求されるんだっけ?こっわーっ

スマホ撮りを装いつつ周囲と説得を見守る

▲2)
ついついスマホで撮るのに夢中になっている体で
距離は敵と18マス内~25マス程(フラッシュバン+移動可能距離

狙い目は近付き過ぎて注意された後
ヴィランが此方を向き、更に自分への興味を失くした瞬間に<フラッシュバン>
《》内は使用合図

『OK、死角ゲット。今だ兄者
「いやぁ……しかし《お日様が実に眩しい》…ねっ

▲その後
麻生さんの狙撃を成功させる為、銃撃役は自分一人、的に装う
距離を取りつつファストショットで援護を試みる

▲終わり
バイト続行
「ぢぐじょおおリア充爆発じろぉぉ…
『……まだやってるのか。はいお嬢さん、ケーキどうぞ

リプレイ

●奪われた花嫁
 事件直前、エージェントたちはそれぞれの気持ちで結婚式に臨んでいた。
(そう言えば、私たち、まだ式挙げてないのよねえ)
 当たり障りないドレスを着た加賀谷 ゆら(aa0651)は、指輪交換の様子を見ながらふと思う。式には着慣れないフォーマルな服装のシド(aa0651hero001)に、夫の加賀谷 亮馬(aa0026)やEbony Knight(aa0026hero001)とともに出席している。
 ゆらと亮馬も新婚であり、2人とも職員同士の結婚を心から祝福しているが、ゆらだけ先延ばしになっている自分たちの結婚式について考え、少し羨ましくなった。
「リア充爆発しろリア充爆発しろリア充……」
「OK兄者、めでたい席で呪詛を吐くのは止めようか」
 一方、裏方スタッフのバイトで教会にいた阪須賀 槇(aa4862)と阪須賀 誄(aa4862hero001)兄弟。機械に強いということで、ついでに教会の備品を修理していた槇からこぼれる負の呪言を聞き、誄は窘めつつ式の進行を補助する。
「はぁ~。素敵ですね~」
「そうですね。……一部の反応は気になりますが」
 こちらは警備という形で式に参加していた詩乃(aa2951hero001)と黒金 蛍丸(aa2951)。純粋に祝福の視線を送る詩乃の傍らで、蛍丸はどす黒いオーラを発する列席者に注意を払う。
 また、席の後ろ側にいた柳生 正義(aa4856)も、負の参列者へ呆れを抱いていた。他人の幸せくらい純粋に喜んでやれよ、と。隣のボリス アンダーヒル(aa4856hero001)も似た心境なのか、ちらちらと負の参列者へ視線を向けている。
 そして、事件は起こった。犯人の登場から逃走まで1分もかからず、全員が呆然としてしまう。
「……うっ、わ! 何コレ、ドラマみてェだな。こんなトコに居合わせるなんて、フツー無いってモンだぜ」
「……ファルク、不謹慎です。ま、貴方に謙虚さは求めてませんけど」
 真っ先に立ち直ったファルク(aa4720hero001)の言葉に、茨稀(aa4720)は避難の目を向け立ち上がった。
「冷たいっ! 茨稀の心が氷のように冷たい……っ!!」
「当たり前でしょう? さぁ、さっさと行きますよ」
 続く小ボケもあっさり潰し、ファルクの襟首を掴んだ茨稀は犯人を追跡する。新郎新婦との面識は薄く、たまたま誘われたからきただけの2人だが、目の前でさらわれた人を放置するほど薄情ではない。
 それをきっかけに、他のエージェントたちも望美と犯人の後を追う。
「……っ!」
『え? あ、いつの間に!?』
 一瞬後に状況を理解したユフォアリーヤ(aa0452hero001)は呆然とした麻生 遊夜(aa0452)と即座に共鳴し、茨稀の背中を追う。共鳴の主導権を握った彼女の表情は鬼気迫っていた。
 原因は、ユフォアリーヤが祝福ついでに花嫁と自身を重ねていた為。新郎(遊夜)と引き離された上、知らない男に触れられた状況も重ねた結果、激おこな模様です。
「シド、行くよ!」
「ああ」
「俺たちも行くぜ、エボちゃん!」
「無論だ。急ぐぞ」
 続いて立ち上がったのは加賀谷夫妻。ゆらはシドと、亮馬は鎧をしまって生身で出席していたエボニーナイトとすぐさま共鳴し、後に続く。
「……真面目に不幸になるのを見過ごすのはなぁ」
「Yes! ジェラシー! Noタッチだ弟者!」
 式場の裏から花嫁拉致を把握した誄と槇も動き出す。
「意味が分からん、やるって事で良いのか?」
「ザッツライッ!」
 嫉妬はしても邪魔するな! と言いたかったらしい名言(?)に確認をとってから、誄と槇は共鳴して飛び出した。
「そっちは参列者の中に怪しい奴がいないか、調べてくれ」
「何かわかったら、連絡をお願いします!」
 彼らから一歩遅れ、カイ アルブレヒツベルガー(aa0339hero001)は上司職員へ参列者のサプライズ演出か、故意の妨害の線で調査を依頼。続けて連絡用の電話番号を渡した御童 紗希(aa0339)と共鳴し、駆け出した。
「すみません、お借りします!」
「急ぎましょう、蛍丸様!」
 最後に、望美奪還後を考慮して式場スタッフからバイクを借りた蛍丸は詩乃と共鳴し、エンジンを吹かせて町へと走り出した。

●追って追っ払って
 教会を出た時点で犯人を見失ったエージェントたちだったが、花嫁を抱えて逃げる姿は目立つだろうと聞き込みを行い、あっさり逃走ルートが見えてきた。スマホや通信機で連絡を取りつつ、花嫁の足跡をたどる。
『詰めが足りんな』
「と言うと?」
 道中、エボニーナイトがこぼした犯人への評価に、亮馬が耳を傾けた。
『本気で好いているのなら、何故この状況になるまで放置していたのかが分からぬ。公衆の場で掻っ攫う気概は中々だがな』
「……えーと、ああ、つまり、好きなら事前に対策をして立ち回っとけと言う?」
『うむ』
「なるほど……?」
 行動は批判的だが、犯人の思い切りの良さは認めるエボニーナイトの場違いな感想に、亮馬は同意を避けて言葉を濁す。何故なら。
「どんな事情があるにせよ、人の結婚式ぶち壊すとか、ほんと許せない!」
『お前も新婚だから、余計に思うところがあるだろうな』
「同じ女性として、絶対許さない! ぶっ飛ばす!!」
『はっきりしてるな。本当に』
 隣を併走するおかんむりなゆらがいるからだ。下手に頷いたらとばっちりは確実にくるだろう。怒りが冷めやらないゆらとシドのやりとりを横目に、早く解決しようと亮馬は思った。
「まったく学生の悪ふざけじゃないだろうにな」
 また、式場では我慢していた呆れのため息を吐き出した正義。それは大勢の前で望美をさらった犯人と、新郎の不幸を素直に喜んだ一部の参列者たちへ向けられている。
『略奪愛、は流石に騎士の名折れでしょうね』
「安心したぞ。流石に、その程度の良識はまだ捨て去ってはいなかったか」
 共鳴したボリスの言葉に、正義は軽口をこぼす。
 こちらの文化に馴染み、元々のフルプレートから華美なアクセサリに路線変更するほど、娯楽に染まった元アーマーナイトのボリス。良識まで路線変更されていては手に負えなかったが、そこまで重症じゃなかったらしい。
「例えどんな事情があれ、花嫁をさらうなんてこと、お話の中だけにしとけよな」
『問題を起こす前に、口に出して語ればいいでしょうに。沈黙は金といいますが、遠慮のしすぎもどうかと思います』
 ついでに事件を起こした犯人への苦言も呈しつつ、正義とボリスは先を急ぐ。
「……どこ?」
『あー、こりゃやばいな……』
 そして、全身の毛が逆立ち、同時に殺気立ちながら全力で追走するユフォアリーヤを、遊夜はずっと宥め続けていた。犯人視認後、即発砲しかねない勢いであるため、遊夜も結構必死だ。
 そんな思いも経て、エージェントたちは付近の公園で見かけたという目撃情報を得てそちらへ集合した。なお、遊夜は何とか主導権を奪還できました。
「……いたぞ。公園の中央、噴水のある広場だ」
 最初に茨稀が偵察用の『鷹の目』を飛ばしたところ、犯人と望美の姿を発見する。
「だが、周囲には一般人が多い。どんどん集まっている」
「ドラマか何かと勘違いしているのか? まあ、この格好じゃ無理もないが」
 続けて犯人たちに集まる野次馬も捉えた茨稀がそう告げると、正義は礼服を着たままの自分を見下ろし、苦い顔をする。茨稀のみイメージプロジェクターで外見を変化させているが、全員目立つ格好という意味では同じだった。
「避難誘導が先だな。その間に逃げられねぇようにもしとかねぇと」
「俺がこのまま監視を続ける。動きがあれば、その都度連絡を入れる」
「頼むぜ、茨稀さん。俺は別行動で狙撃場所を確保してくる」
 すぐにカイが方針を決めると、茨稀が犯人の監視を立候補してから隠密行動で公園内へと入っていき、避難誘導にと拡声器をカイに渡した遊夜が別の方向へと駆け出す。
『誘導は任せて、俺たちは花嫁の安全を優先するぞ』
「りょーかい。行こう、亮ちゃん!」
「よっしゃ!」
 続けて、可能な限り望美の位置まで近づきつつ、犯人の死角で隙を突くと作戦の概略を言い残し、シドの言葉を受けたゆらと亮馬も先行する。
 残りのエージェントたちは共鳴を解いてから、野次馬を散らす為に動き出した。
『公園内の方々注目して下さーい。こちらH.O.P.E.エージェントです。不審者が公園内に潜伏していると通報を受け、現在捜索中です。一般の方は非常に危険ですので、直ちに公園から退去をお願いします。エージェントが誘導を行いますので、それに従い落ち着いて避難して下さーい』
 結構な人数に一瞬眉をひそめつつ、カイはネクタイを緩めると拡声器で人垣の背中へ訴えかけた。
『ハイそこ! カメラは向けないで下さーい!』
 また、カイは犯人やこちらへ向けるスマホレンズにも注意を飛ばした。別の場所でも紗希が同様に避難を促す。
「もしかしたら大立ち回りをするかも知れませんので、申し訳ありませんが下がってください」
『こちらへ移動をお願いしまーす』
 蛍丸は個別にやんわりと危険性を訴え、詩乃は借りた拡声器で声を張って、野次馬の誘導を続けた。特に家族連れには子供への配慮に念を押す。
『危ないんで、もっと下がって』
 しかし、なかなか公園から離れない野次馬へ、正義も言葉を重ねるが効果は芳しくない。当初よりは散ったものの、まだまだ一般人は多く残っている。
「何だこれ、何かの特撮? あのー、これってリンカーを使った撮影です?」
「え? そうじゃね? わかんねーけど」
「あぁ、じゃあ……下がりましょう、AGWを使わないだけでガチでやるみたいですから、何かカスるだけでも僕らミンチですよ」
 そんな中、槇と誄は地味さを活かしてあえて野次馬の中に潜り込んだ。槇は近くの男性へ声をかけ、返答を聞いた誄が不安を煽る。
「あーあと、下がれって聞いててカメラに映っちゃうと、悪質な時は1テイク分、お金請求されるんだっけ? こっわーっ」
 さらに槇の放ったデマ情報にぎょっとし、槇たちがいる場所の野次馬がさーっと引いていく。現金な人たちだ。
 完全には無理だったが、犯人たちから野次馬を遠ざけた後、誘導係のエージェントたちが犯人と相対する。
「投降すんなら今の内だぞ。いくらアンタの能力が高いと言っても、これだけの人数相手にしたら、弾切れ起こすのも時間の問題だ」
 説得役として、カイが前へ出た。傍らには紗希がいつでも共鳴できるように控える。
 ただ、避難誘導のさなか犯人の写メを撮り、H.O.P.E.に犯罪歴を確認してもらったが該当者はおらず、式場内の人物も全員白。犯人の情報が少ないため、自然と説得は脅しを含んでいく。
「数キロ先の針も狙える狙撃手が、アンタの眉間狙ってんぞ? 死にたくないならムダな抵抗はやめた方がいい。平和的解決を提示してる今がチャンスだと思うけどねぇ」
 威圧的な笑みを浮かべたカイを見て、犯人である広明が目を丸くする。
「ええっ!? 不審者って俺のことだったのか!?」
 バカだった。背後に噴水を背負い、かばっている望美からの視線も痛い。
「いや、普通気づくだろ……っ!?」
 正義が呆れて脱力しかけた時、突如広明が拳銃を上空へ発砲。野次馬たちからどよめきが起き、さらに人垣が離れていく。
「ちょっ、イナティオ!? お前何やってんの!?」
『えー? だって、見られてたしー?』
 が、一番驚いていたのは広明だった。1人で騒ぐ広明に不審を覚えるが、通信機から漏れる声に緊張感が一気に高まる。
『すまない、『鷹』がやられた』
 それは、茨稀からもたらされた『鷹の目』の消滅。先ほどの1発でしとめられたのは明白だった。
 これを交渉決裂の合図として、紗希・蛍丸・正義は即座に共鳴。広明の逮捕へと動き出した。

●騒がしい熟練者
「らぁっ!」
 最初に仕掛けたのは紗希。望美を巻き込まないよう注意して自動小銃を牽制に放ち、同時に神斬を抜いて広明の側面から距離を詰める。
「ふっ!」
 広明の正面からは蛍丸が接近。間違っても望美へ当てないよう、リーチの短い『鬼切丸』へ持ち替え刃を翻す。
「逃がさないぞ!」
 さらに、紗希の反対側からは正義がタックルを敢行。2人の攻撃から逃げた後で捕まえようと迫った。
「き、きたーっ!?」
 しかし、広明は情けない絶叫とともに紗希の銃弾を切り払い、『影渡』を使用。追撃の神斬と『鬼切丸』をあっさりと回避し、突撃した正義の肩を足場に跳躍した。
『うわー。何で私、こんなことしてるんだろー?』
「ぐ、っ!?」
 そして、イナティオの言葉とともに空中で銃口を眼下へ向け、『霊奪』の弾丸を紗希へ浴びせる。続けて望美へ近づこうとする蛍丸と正義への牽制も行った。
「あっ! 向こうからも来てるぞ!」
 また、首だけを背後へ向けた広明は噴水越しに接近してくる亮馬・ゆら・茨稀の姿に気づいた。
『そうみたいだねー、っと!』
 瞬間、イナティオは自身へ飛来する足への狙撃を太刀で切り払い、再び望美の近くへ着地する。
「……あの身のこなし、相当の熟練者だな」
『……ん、絶対に、当てるの』
 その様子を、公園の木に上って狙撃姿勢をとる遊夜とユフォアリーヤが驚嘆の目で確認する。死角と隙を突いたはずの1射を防がれ、ヴィランへの認識を上方修正しつつ次の機会をうかがう。
「どうも相手は、俺達よりずっと強そうだぞ」
「う……っ」
 また、仲間の攻防を野次馬の中から見ていた誄と槇は、ヴィランの動きについていけずに困惑していた。
「……兄者、俺に考えがある。良く聞くんだ」
 が、一計を案じた誄の言葉に槇は耳を傾け、通信機を取り出した。
「しっ!」
 一方、戦いは茨稀が参戦して広明の包囲網が強固となる。スカバードから如来荒神を抜刀した茨稀は、『猫騙』で広明の動きを乱す。同時に素早い足運びをつぶさに観察することで行動を予測し、隙が生じるような斬撃を放っていく。
「そこです!」
「痛って!? ……俺のレンタルタキシードォ!?」
『あ、ごめーん』
 紗希の大剣による威圧と茨稀の攪乱で生じた隙を、蛍丸が切り込んだ。胴体に入った切り口からは血がにじみ、純白の礼服が染まっていく。
『そのファンシーな盾は使わないんですか? とても似合ってなくて素敵ですよ』
「両手が開いているほうが重要だ!」
 その中で懸命に捕縛へ動く正義に、ボリスが背負うだけの星形盾に言及。正義は最初から捕獲した時の重石として狙っており、腕がフリーの方が大事と反論する。
「行くぞ、ゆら! タイミングを合わせろ!」
「おっけー!」
 正義の組み付きを回避し再び高く跳躍した広明を確認し、今度は亮馬とゆらが動く。味方の包囲網の後ろから、亮馬はエクリクシスを地面に叩きつけて爆発と粉塵を発生させ、ゆらは頭上の広明めがけダイヤモンドユーリスの閃光を放った。
「まぶしっ!?」
『目くらましだねー、……あ』
 視界が一気に悪化したことで広明が声を上げ、イナティオが呑気につぶやくと、拳銃を扱う腕に1発の銃弾が貫通した。
「花嫁の無事が最優先で、怪我などさせられんからな。次は足をもらうぜ?」
 遠方から命中させた猟犬の牙を再度装填し、遊夜は広明の機動力を殺ぐため意識をさらに集中させる。
「食らえっ!」
 落ちた広明を待ち構えていたのは、亮馬が作った砂煙と紗希。力をためた体勢から『ストレートブロウ』が放たれ、着地姿勢が崩れる。
「何がしたいのかは知らないが、新婦はもってくぜー!」
『そういう事は一々言うでないわ。さっさと動くぞ』
「おっけー!」
 その砂塵の中を、亮馬はエボニーナイトに軽く叱責を受けつつ駆ける。向かう先は当然、望美の元だ。
「やべっ! イナティオ!」
『はいはーい』
 しかし救出の寸前、広明は『ターゲットドロウ』で亮馬の眼前へ躍り出た。片腕で太刀を振るって行く先を妨害し退ける。
「失礼しますっ!」
「がっ!?」
 ただ、無理な姿勢からのカバーリングと、牽制に使った太刀の大振りを代償に、広明は死角から現れた蛍丸の奇襲を受ける。刃ではなく柄頭による刺突がわき腹へ食い込み、広明の口から反射的に苦しげな声が漏れた。
「望美さん! こっち!」
「はいっ!?」
 剣戟の音が断続的に交錯する中、ゆらは仲間の足止めの間に望美へ接近し、手を取った。そのまま身を反転させ、噴水から距離を取った。
「あ、待て!」
「……謎の怪盗、新婦攫うも奪還ナウ、っと」
「おい、そこの野次馬! 下がれ!」
 この頃になると砂煙は晴れ、ゆらが連れ去る望美の姿がばっちり見えた。広明はすぐさま追おうとするが、背後で上がった声に反射的に振り向く。すると、スマホを構えて近づく一般人と、それをとどめる紗希の声があった。
 ただの野次馬と判断した広明は興味を失い視線を戻すと、注意された一般人が笑みを作った。
『OK、死角ゲット。今だ兄者』
「さーせん! いやぁしかし、《お日様が実に眩しい》……ねっ!」
「うわっ!?」
 瞬間、一般人――誄と共鳴した槇は『フラッシュバン』を広明の近くで破裂させ、2度目の目くらましを行った。動きが鈍った広明へ、事前に合図を聞いていた紗希・茨稀・正義がすかさず肉薄し攻勢を強める。
「く、そっ!? 痛ぇっ!?」
『あちゃー、これは厳しいかなー?』
 それでも望美を追おうとする広明とイナティオだが、遊夜の『ダンシングバレット』に足を射抜かれる。
「一辺倒な攻撃ばかり、と思っただろ?」
『……切り札は、先に見せちゃダメ、よ?』
 これで機動力が目に見えて落ち、遊夜とユフォアリーヤは薄く笑みを浮かべた。
「食らえっ!」
 直後、再び亮馬が地面をエクリクシスで殴り、爆発による煙幕を発生させた。
「げぇ! また、けむりか、よ……」
『……あー、ダメ、っぽい、なー』
 すると、程なくして広明とイナティオの意識が急速に薄れていき、その場に倒れ込んだ。
「……ふぅ。ヴィランの確保、完了しました」
 実は亮馬の煙に紛れて、蛍丸が『セーフティガス』を発動させていたのだ。消耗した体で思いっきり催眠ガスを吸い込んだ広明は見事に『気絶』。これにて、お騒がせな花嫁泥棒の捕り物劇は幕を下ろしたのであった。

●果たして動機は?
「あまり待たせるのもよくないので、先に望美さんを式場へ送っていきます。皆さんは、その間にヴィランから話を聞いてください。何かわかったら、通信機で連絡をお願いします」
「皆さん、ありがとうございましたー!」
 戦闘後、ゆらから望美を引き取った蛍丸はそう告げた後、バイクの後ろに花嫁を乗せて走り出した。ヘルメットをかぶった望美はエージェントたちへ手を振り、ウェディングドレスのスカートをはためかせる。帰りも帰りで目立ちそうだが、背に腹は代えられない。
「初対面でこんな大それたことするとか、ほんと信じらんない!」
『奴の目的が、ただエージェントを引っ張り出して、エージェントと戦いたかったとかだったら……』
「ぶんなぐる!」
 バイクを見送った後、ゆらは改めて広明を睨みつけた。望美とは精神状態を確かめるための軽い会話しかしておらず、いまだ犯行動機は不明のまま。シドの言葉にゆらは思いっきり拳を握りしめ、ずんずんと広明へと近づいていく。
「うー……、いてててっ!?」
「……ん、お縄ー♪」
「……リーヤ、もう少し加減してやれ。何にせよ、大人しくしてろよー?」
 野次馬が帰った後、広明は噴水前でまだまだ激おこなユフォアリーヤに野戦ザイルでキツ目に縛られ、目を覚ました。遊夜は容赦ない相棒の締めを窘めた後、意識が戻った広明へ不敵な笑みを見せる。ちなみに、広明の傷はすでに蛍丸の『ケアレイ』で回復済み。
「お、ようやくお目覚めか。こっちのイナティオって名乗った子は、ぜんぜん話が通じなくて困ってたんだよ」
「えー、っとー?」
 遊夜の後ろから姿を見せたファルクは、すでに拘束されているイナティオを広明へ示した。戦闘中の間延びした声はそのままに、ファルクの声には曖昧な反応ばかり。
「そりゃそうだ。イナティオは元々、目と耳が悪いからな。俺と共鳴してなきゃ、他人とのスムーズな会話はほぼ出来ねぇよ。まぁ、イナティオ曰く『空気の振動が肌に触れれば言葉も何となくわかる』らしいけど」
「え? まさか、それと同じ理屈で俺たちの攻撃も見切ってた、のか?」
「さぁ? 戦闘はイナティオ任せだし。でもそいつは勘も鋭いし、危機察知能力は高いんじゃね?」
 広明の台詞に、亮馬は目を丸くする。イナティオがエージェントや攻撃の動きを『空気の振動』を主体に感知し、あれほどの動きを見せたことにまず驚いた。同時に、そんな英雄の凄さを理解していない広明にも驚愕を隠せない。
「……ともかく、何故こんなことをしたのですか? しかも、新郎の前で初対面の女性との関係を臭わせるようなことまで言って、何がしたかったんです?」
 望美から聞いた『お互いが初対面』という事実を踏まえて茨稀が問うと、何故か広明は胸を張ってこう続けた。
「花嫁をさらうシーンのあるドラマを見て、俺もやってみたかったんだ!」
 バカだった。
「でも、実際にやろうと思っても彼女いたことねぇから、他人の結婚式に乱入してみた!」
 アホだった。
「そしたらビックリ、花嫁さんも同じドラマ見てて意気投合しちまってよー! ついでに理由を話したら呆れられたな!」
 マヌケだった。
「いやー、でもまさか出席者の中にエージェントがいるとは思わなかったぜ! 失敗失敗!」
 おまけに救いようがなかった。
「ギルティ!」
「ふべっ!?」
「……んっ!」
「いたいいたいっ!?」
 当然、広明はくだらない理由だと殴ると意気込んでいたゆらから強烈なグーパンチをいただく。ついでにユフォアリーヤからの締め付けもレベルアップ。自業自得である。
「これに懲りたら、こういう事は以後やめろ。男の価値を下げるぞ」
 手遅れかもしれないが、という本音を隠しつつ、正義はひどく面倒臭そうにしながらもバカへ説得した。頷いているのかわからないが、広明もピクピク動いて反応はしている。
「……はぁ。それで、この人どうします?」
 重いため息をついた後、茨稀は彼らの処遇を尋ねる。
「あー、結婚式、見たいなー?」
 すると、イナティオからのんびりした提案がされ、エージェントたちは完全に脱力した。

「おめでとー!」
 結局、広明のくだらない理由は蛍丸から参列者へ伝わり、遅れて戻ったエージェントとともに現れた広明たちから直接謝罪があって、結婚式はそのまま再開された。
「それじゃあ、いくよー!」
 最後に、望美が参加者全員へ向けたブーケトスを行った。造花の花束が宙を舞い、女性や子供が手を広げて追いかける。
「……あ」
 すると、ブーケはまるで吸い込まれるかのようにユフォアリーヤの手元へ落ちてきた。
「……ユーヤ、これ」
「えーっと、よ、よかったな?」
 すぐに隣の遊夜を見上げ、ユフォアリーヤは表情と瞳を輝かせて尻尾を力強く振り回す。どっかのバカのせいで悪かったユフォアリーヤの機嫌がV字回復した反面、彼女の期待がこもった視線に加え負の参列者からのどす黒い視線もあり、遊夜はたじろぐ。
「なんかさー。ご祝儀払って人の嫁の晴姿見て、今回の追跡劇もボランティアだろ? どーせ。ここ一年俺どんだけ周りの寿報告聞いてんだよ」
「そんなに知り合いが結婚した事嫉ましいの?」
「別にそんな事ねーけど……、けどさー……」
「もー! ちっさい35歳だなー」
 他方、少々負の参列者に毒されてきたカイに、紗希は呆れた様子を見せる。
「いろいろあったけど、結婚式素敵だったー」
 無事に結婚式を終えた望美を見送ったゆらは、本人的にはさりげなく亮馬へちらちら目線を送る。その眼差しには、暗に『私たちの結婚式』についてせっつく意味が強く込められている。
「そ、そうだな!(さ、流石に早く決めないとな)」
 妻からの露骨な視線を受けて言葉を詰まらせつつ、亮馬も延期されている自身の結婚式について少々焦りが生まれる。こういう風に皆に祝福されるのもいいよなぁ、と呑気なことを考えている場合ではなかった。
 また、亮馬は気づいていない。遊夜へ向けられていた負の視線が、自身にも集まりつつあるということを。
「ぢぐじょおおリア充爆発じろぉぉ……」
「……まだやってるのか」
 バイトに戻った槇は血涙を流す勢いで呪詛を吐き、傍らの誄から盛大なため息をもらう。
「素直に祝福しましょうよ……」
 そして、広明とイナティオの監視と警備を続ける蛍丸も苦笑を隠せなかった。
 色んな意味でドラマチックだった結婚式は、祝福(リア充)と嫉妬(非リア充)が混在する素敵(カオス)なものとなったのだった。

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    加賀谷 亮馬aa0026
    機械|22才|男性|命中
  • 守護の決意
    Ebony Knightaa0026hero001
    英雄|8才|?|ドレ
  • 力持つ者の責任
    御童 紗希aa0339
    人間|16才|女性|命中
  • 運命破壊者
    カイ アルブレヒツベルガーaa0339hero001
    英雄|35才|男性|ドレ
  • YYの絆証を君に
    麻生 遊夜aa0452
    機械|32才|男性|命中
  • 薬指に光るYYの絆証
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|16才|女性|ジャ
  • あなたのとなり
    加賀谷 ゆらaa0651
    人間|23才|女性|命中
  • 切れ者
    シド aa0651hero001
    英雄|25才|男性|ソフィ
  • その背に【暁】を刻みて
    黒金 蛍丸aa2951
    人間|16才|男性|命中
  • 撫子
    詩乃aa2951hero001
    英雄|13才|女性|バト
  • エージェント
    茨稀aa4720
    機械|17才|男性|回避
  • エージェント
    ファルクaa4720hero001
    英雄|27才|男性|シャド
  • エージェント
    柳生 正義aa4856
    人間|18才|男性|攻撃
  • エージェント
    ボリス アンダーヒルaa4856hero001
    英雄|22才|男性|ドレ
  • 華麗なるゲーマー
    阪須賀 槇aa4862
    獣人|20才|男性|命中
  • 華麗なるゲーマー
    阪須賀 誄aa4862hero001
    英雄|18才|男性|ジャ
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