マイクロソフトはドローンを初めとした「あらゆる自律型機器」の移動を仮想現実内でテストできるシミュレータ・ソフトを、オープンソースで公開しました。最新のフォトリアリスティック技術を使うことにより、暗闇や光の反射など誤動作の原因になりやすい環境まで再現。これにより高価な機体を壊すことなく何千回も実験を繰り返すことが可能となり、「シミュレータと現実のギャップを橋渡しできる」とのこと。現在、GitHub上で無料で利用可能となっています。
Microsoftがドローンなど自律型機器のシミュレータをオープンソースで公開。「何百回もノーコストで墜落」が可能に
狭っ苦しい現実よりも自由な仮想現実に羽ばたけ!
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自動運転の機械学習やドローンの運用などには何百回何千回ものテスト、すなわち「失敗」が必要とされますが、現実世界では機材の損壊や周辺の被害のコストがつきまとうもの。そのため研究者は仮想世界で実験できるツールを模索しており、オープンワールドゲームの『GTA V』(San Andreasはロサンゼルスの1/5サイズ)を改造して自動運転AIの試験場としているという話もありました。
公開されたAerial Informatics and Roboticsプラットフォームは、仮想空間での現実的なシミュレーションデータの生成と、そのシミュレーションをデバッグする環境を提供するとのこと。前者では電線や樹木が入り組んだ地形で仮想ドローンを運用し、木の枝に引っかかるなどの不具合をすぐに検知します。このシミュレータは既存のハードウェアや機械学習システムとも統合できるため、その結果を現実のシステムに還元できる仕組み。「単に無人機を墜落させる以上のもの」というわけです。
これは実際の運用テストを丸ごと置き換えるものではなく、再現が難しい状況や、反復的なテストを行うための補完的な機能とのこと。マイクロソフトはドローンに限定するつもりはなく、自動運転車など「あらゆる種類の自律型機器」を対象とするとしています。
日本国内ではドローン規制が厳しく個人での運用が難しい現状ですが、「PCの中の別世界」で自由な形の機体が飛び回ったりと、実用性以外の動きが広がるかもしれません。