ゲノム編集の特許 ヒトの細胞で編集行った研究者に

ゲノム編集の特許 ヒトの細胞で編集行った研究者に
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生物の遺伝情報を自在に書き換えられる「ゲノム編集」の特許について、アメリカの特許商標庁は、基本的な仕組みを開発した研究者ではなく、最初にヒトの細胞でゲノム編集を行った研究者の側に特許があるとする判断を示しました。ゲノム編集の技術は医療などの幅広い分野で応用が期待されるだけに判断が注目されていました。
ゲノム編集は、5年前、従来よりもはるかに簡単で正確に遺伝情報を書き換えられる「CRISPRーCas9」(クリスパー・キャスナイン)という方法が開発されて以降、食物の品質改良や病気の治療などへの応用を目指した研究が急ピッチで進められています。

この方法を動物などの細胞に応用する特許について、基本的な仕組みを最初に開発したカリフォルニア大学などの研究者と、マウスやヒトの細胞で初めて成功したマサチューセッツ州にあるブロード研究所の研究者がそれぞれ、みずからに特許があると主張し、争ってきました。

これについて、アメリカ特許商標庁の特許公判審判部は15日、動物などの細胞への応用について、ブロード研究所の側に特許があるとする判断を示しました。

ゲノム編集の技術は医療などの幅広い分野で応用が期待されているだけに、アメリカを代表する研究機関どうしの特許争いをめぐる判断が注目されていました。これを受けてカリフォルニア大学は、連邦控訴裁判所に訴えることを検討するとしており、ゲノム編集の特許をめぐる争いは今後も続く見通しです。