名作サウンドノベル「かまいたちの夜」が、ADV形式となってリメイクされた『輪廻彩声』!竜騎士07さんの新規シナリオ、声優によるフルボイス、そして何より、シルエットだったキャラクターがイラストとなったことで大変な話題を呼んだ今作!早速プレイした感想を述べていきます!
※初代「かまいたちの夜」、及びその続編「監獄島のわらべ唄」はプレイ済み。
※ミステリー編の犯人名や、新規シナリオの結末など重大なネタバレは今のところボカしてあります(のちほど追記予定)。
かまいたちの夜とは?
信州の山奥にスキー旅行にやってきた1組のカップル。
大学生の透は、ガールフレンドの真理の叔父夫婦が経営しているペンション「シュプール」へとやってくる。が、楽しいひと時も束の間、「こんや12じ だれかがしぬ」と書かれた謎の言葉通り、殺人事件が起きてしまう・・・!
吹雪に閉ざされ電話も通じず、どこかに潜む殺人犯と共に夜を過ごすことになってしまった透たち。果たして、13人の登場人物の中に犯人はいるのか!?
90年代のミステリーサウンドノベル屈指の有名作。
最初のストーリーは上述した「ミステリー編」と呼ばれる、殺人事件の謎を解く王道推理ミステリーだが、一度クリアすると選べる選択肢が増え、その後はオカルトじみた展開の「悪霊編」や「スパイ編」など、ストーリーごとに登場人物たちの設定が入れ替わるのが特徴である。
ADVとなったリメイク!
初代は全画面に文章&登場人物たちのシルエットのみが表示されるサウンドノベルだったが、今作ではメッセージウィンドウにキャラの立ち絵という、ギャルゲーなどに代表されるアドベンチャー形式のサウンドノベルとなった。フローチャートなどエンディング回収に必須な機能は大体揃っているが、その他に特に目立ったシステムはない。
BGMは初代と大体同じもの(?)が使われており、背景のシュプールの画像も初代の雰囲気と変わらないが、全体的に写真を元に描いたようなイラストにリファインされており、新規で追加されたものも多い。
萌え絵(?)なキャラデザ
とにかく初代との最大の違いは、登場人物たちにボイスとイラストの立ち絵がついたこと!全体的に女の子は大変可愛らしく描かれているが、プレイした感想としては、ペンションのオーナーである小林夫妻や、コテコテの関西弁社長・香山など、30代以上の男性のキャラデザは、少々可愛らしすぎるかもしれない。
あとさすが18↑ゲームだからか、ゲーム中、常に真理の谷間が主張してくるので、そういう意味でゲームに集中できないというのもある。
おっぱいを推しに推していくスタイル。
文章よりもそっちに目がいって困る。
登場人物
透(CV:逢坂良太)
主人公。
平凡な大学生で、いわゆるフツメン。
選択肢によって真理のために命をかける漢前にも、ただのド変態にすることもできる。イラストがついたからか、大分可愛めな印象となった。苗字は判明していない。
スタイル抜群のガールフレンドとお泊り旅行するとかただのリア充に思えるが、実は真理と出会ったのは今年の4月。付き合いだしたのは秋ごろとまた1年も経っていない。そのため、真理との仲は友達以上恋人未満といったところ。
小林真理(CV:明坂聡美)
巨乳ヒロイン。
運動神経が良くしっかり者な大学生で、大変にグラマラスなスタイル&誰もが振り返る美人という、パーフェクトすぎるヒロイン。今作ではその豊満な胸を周囲に見せつけるかのように、序盤の『ミステリー編』では常に谷間が見える服を着用。そのほか基本シナリオの『悪霊編』では乳袋がくっきりした服となっていたり、後半はオールヌードだったりと完全にお色気担当である。
初代で大体の人が見たであろうストックEDは今作でも健在だが、迫力は劣るのでトラウマになることはない。
その他のキャラ
ただの美少女トリオと化したOL3人組。
新規シナリオは?
A Novel
真理の先祖で悪行を重ねていた男が、女の恨みから生まれた「かまいたち」によって殺されたという話をした翌日・・・。シュプールで常に怪しかった黒スーツの客・田中一郎が、全身を切り裂かれた状態で発見されるというストーリー。
扱い的にはエクストラのようなボーナスシナリオ扱いで、この話は選択式ではなく、単純に読み進めるだけのもの。「殺人事件の犯人探し」はミステリー編と同様だが、こちらは『出題編』と称された前半に明確に伏線が存在している。
(※モバイルアプリや公式ファンブック内で掲載されていた「A Novel」が存在するが、そちらは未読のため、今作に収録されたものとストーリーが同一なのかは未確認です)
辺獄の真理編(竜騎士07シナリオ)
リメイク版に追加された竜騎士さんのシナリオ。
『ルールX』というひぐらしでお馴染み単語がちょろっとだけ登場したり、ひらがなの擬音を多用したグロ描写から竜騎士臭が漂うシナリオ。
基本シナリオの『ミステリー編』や『悪霊編(リメイクではオカルト編)』をクリア後に出現?する、シュプール到着後、「ずっと寝てる」的な選択肢を選ぶと分岐する。
目覚めると、一切の記憶を失っていた透。
目の前の優しい女性が誰なのかもわからないが、彼女に連れられるまま朝の食堂に向かう。そこで彼女から、ドリンクバーを持ってきて欲しいと頼まれるのだが・・・。
記憶喪失となった『透』が主人公の、竜騎士さんらしいオカルトちっくなシナリオとなっている。選択肢はあるが、あまり悩む必要はない。ほぼ一本道である。
演出について
キャスティングには文句なし。
個人的には俊夫が伊藤健太郎さんで大歓喜。
ただボイス面で気になったのは、
小林の妻の声が時折実年齢よりかなり若目に聞こえることと、「物凄い絶叫」と文章で書いてあるのに対し「キャー(棒)」という悲鳴なのが個人的には少々萎えたかも。(金切り声などが耳障りにならないようにとの配慮なのかもしれないが、殺されそうになってるのだからもうちょっと臨場感だしてもいいんじゃないだろうか)
あと少し気になったのは、
全体的にキャラデザが可愛いくて綺麗すぎるという点。
ミステリー編の後半、続々と死人が出た状況で、友人たちが殺され追い詰められた可奈子が襲ってくる時のスチルなどが、普通に可愛い顔で描かれていたのは恐怖演出的には物足りない。
あと原作ではトラウマになりそうな勢いで怖かった真理のストックENDが、リメイク版では単にスチルが切り替わるだけだったのはちょっと残念だった。そして原作の血塗れの手が出てるシーンが削られていたのには泣いた。
これらの演出が、ティーンズ向けにするためのやむを得ない演出であれば勿論理解できるのだが、本作は18禁であり、グロや恐怖演出を抑える必要は全くないはず。正直現時点では、なぜこの作品に年齢制限がかかっているのかわからないほど描写はぬるい。今後プレイしていけばこの謎はわかるのだろうか・・・?
個人的な不満点:悪目立ち感があるサービスカット
序盤の『ミステリー編』では、どの角度でも真理の谷間がくっきりと強調されており、ムダにサービスカットが多かったりと、やや狙いすぎな感が目立つ。一番王道なミステリーシナリオなのに萎えることもしばしば。
かまいたちの夜には「ピンクのしおり」というシナリオがあり、さらに『悪霊編』では基本真理がすっぽんぽんなのに、のっけからガンガンお色気要素を入れていくスタイルだと過剰供給になりそう。
まぁこれは単純に昔からのなじみで、
かまいたちでは、エロネタは最後のお楽しみ的な感じでとっておいて欲しかった、ってだけかもしれないが。
最後に
基本は初代のシナリオと大きくは変わってない(はず)。雪の迷路編の真理の迷セリフ「あぁラーメンが食べたいわ・・・」がまた聴けたのは個人的に嬉しかったですし、スーファミ・プレステとプレイしているものの大分記憶も薄れているので、案外最初からトゥルーはとれず、「こんな分岐だったな」とか、「香山のこのBGMくっそ懐かしいなオイ!」とか、昔を懐かしみながらも新鮮な気持ちでプレイできたのは良かったです!
ただリメイク版・・・
本っっ当~~~に個人的すぎる不満として、OPの歌が凄い微妙ってのがあります。いえ、自分も志倉千代丸さん作詞作曲の歌は基本大好物ですよ?ただ、本来ならこういう不穏でどこか焦燥感を煽るようなメロディーの曲は、いとうかなこさんとか、歌唱力がある方が歌ってこそいい感じに迫力があって格好いいわけで・・・。可愛い女の子の声で合唱ちっくに歌われてもそんなに怖くは・・・ない・・・(歌ってるアイドルが好きな方には本当に申し訳ない!)
新規シナリオは「辺獄の真理編」、通常シナリオはミステリー編、悪霊編、スパイ編、雪の迷路編、そして鎌井たちの夜編しかまだプレイしていないので、今後プレイしたシナリオの感想などはその都度追記していきたいと思います。もう少々お付き合い頂ければ幸いです。
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