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「もし死んだら」「いいよ」妹が証言 元名大生、タリウム事件公判

 名古屋市で知人女性を殺害し、仙台市で高校の同級生ら2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませて殺害しようとしたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた名古屋大の元女子学生(21)=事件時16〜19歳=の裁判員裁判の公判が15日、名古屋地裁であり、事前に録音、録画された元学生の妹(19)の証人尋問のやりとりが流された。妹は、タリウム事件で「(同級生が)死んだらどうするの」と聞くと、元学生は「別にいいよ」と答えたことを明かした。

 元学生は私立高2年で16歳だった2012年5〜7月、同級生の男子学生(20)らにタリウムを飲ませ、妹に犯行を告白したとされる。妹は男子学生への2度目の投与直後、1度目と合わせ「致死量より多く入れた」と打ち明けられ、再度飲ませた理由を「本当にタリウムなのか試すためだった」と言われたと証言した。

 元学生が男子学生を「毒殺したい」と言っていたことや、外出時に警察が家に来たら連絡するよう頼まれていたことも明かした。

 刑事訴訟法によると、証人が捜査当局の取り調べと異なる証言を公判でする恐れがあり、犯罪の証明に不可欠な場合は、検察官の請求で初公判前に尋問できる。暴力団関係者などの公判で採用されることはあるが、裁判員裁判では極めて異例。この日は昨年12月、仙台地裁で裁判官立ち会いの下、検察、弁護側が法廷外で妹に尋問した映像を裁判員らが視聴し、傍聴席には音声のみが流された。

 弁護側は「元学生は重い精神障害の影響で責任能力はなかった」として無罪を主張している。

(中日新聞)

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