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「撲殺は想像以上に血が出た」友人に電話

 名古屋市で高齢女性を殺害し、仙台市で高校の同級生ら2人に硫酸タリウムを飲ませたなどとされる元名古屋大学生の女(21)=事件当時16~19歳=の裁判員裁判で、検察側は15日、名古屋地裁(山田耕司裁判長)の公判で元学生の友人女性の調書を読み上げた。元学生が高齢女性殺害発覚の数日前、「撲殺は想像以上に血が出た」と友人に電話していたことが明かされた。

 友人は小中高校を通じての同級生。元学生から女性の遺体が発見される3日前に携帯電話のメールで「人を殺した」「撲殺した」と打ち明けられ、その後に電話で「死体を風呂場に運ぶのが大変だった」と伝えられたという。友人は調べに「話が具体的で本当に殺人をしたと思った」と述べていた。

 友人は高校3年の冬、元学生から同級生ら2人にタリウムを飲ませたことも明かされていたという。高校を卒業してからも元学生から無料通信アプリ「LINE(ライン)」で「また毒飲ませたい衝動が出てきた。無差別なんだな。誰でもいい系」とのメッセージを受け取っていたと話していた。

 15日の公判では、元学生の妹に対して昨年12月に仙台地裁で非公開で実施された証人尋問の録音・録画も再生された。妹は元学生から高齢女性殺害の直後に電話で「今日、人を殺したんだよ」と告げられたと証言した。

 その後、仙台市の実家に戻った元学生に「おので人を殴った」と聞かされ血のついた服を洗うよう頼まれたと明かした。また元学生から、高校の同級生の男性に硫酸タリウムを飲ませた際に「致死量よりも多く入れた」と聞かされたという。

 元学生について「頭が良くて要領もよくてうらやましい」とする一方、顔を殴られたりかまやナイフ類を見せられたりして「怖かった」と話した。

 刑事訴訟法は、公判で証人が捜査段階と異なる証言をする恐れがあって立証に不可欠と認められる場合、検察側が初公判前に証人尋問を請求できると定めている。裁判員裁判で事前に証人尋問を実施し、録音・録画によって審理するのは異例。【金寿英】

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