(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年2月13日付)

ギリシャの対外債務、「非常に危険な状態」になる恐れも IMF

ギリシャ議会の上にはためくギリシャ国旗(2016年5月22日撮影、資料写真)。(c)AFP/ANGELOS TZORTZINIS〔AFPBB News

 権力に対して真実を語れないことが、欧州で間違った方向へ向かっている大半の問題の根底にある。それは、いま何度目か分からない再発を起こしているギリシャ債務危機の主な原因ではないかもしれない。だが、単なる一要因では済まない。

 特にこれに気づかされる場面がある。国際通貨基金(IMF)のスタッフが最近やったように、ほかの人が真実を語ったときだ。IMFはギリシャ経済の最新調査で、「公的債務は2015年末に(国内総生産=GDP=比)179%に達し、持続不能だ」と述べた。

 欧州の人間は、そのような露骨な物言いに慣れていない。ドイツ人は抗議した。欧州委員会も抗議した。ギリシャ人も抗議した。彼らは皆、もうしばらくの間、ギリシャの債務の持続可能性のおとぎ話を続けることを望んでいる。

 欧州の人々は特に、IMFが報告書に「一部の理事は財政の道筋と債務の持続可能性について異なる見解を持っている」と書き、内部の意見対立を明かしたことに衝撃を受けた。これらの理事は、IMFで少数派となっている欧州出身者だ。

 米国のトランプ政権がひとたびIMF理事会に代表者を送り込んだら、さらに敵対的な環境になると思っておいたほうがいい。筆者の見立てでは、IMFは最終的にギリシャ救済プログラムから手を引き、欧州諸国は自由に、進行中のギリシャ危機にお粗末な対応を取り続けることになる。

 どうして、こんな事態に至ったのか。2015年7月、欧州連合(EU)とギリシャは第3次救済に同意した。ギリシャのアレクシス・チプラス首相は、毎年、GDP比3.5%のプライマリーバランス(利払い前の基礎的財政収支)の黒字を出すことを確約した。