訪韓するイスラム教徒観光客が今年初めて100万人を突破する見通しになった。観光業界では「イスラム教徒観光客は中国人団体観光客の空白を埋められる有力候補」と積極的に攻略に乗り出している。
韓国観光公社は「韓国を昨年訪れたイスラム教徒観光客は98万人で、前年の74万人に比べて30%以上増加した。今年の誘致目標は110万人だ」と12日、発表した。このうち75%はインドネシア・マレーシアなどのアジア諸国から、残りはサウジアラビア・アラブ首長国連邦など中東諸国から来ている。観光公社関係者は「中東のイスラム教徒は山と海がある韓国の豊かな自然に、東南アジアのイスラム教徒は冬の寒さや雪に特に関心を持ち、魅力を感じている」と語った。
観光分野の専門家らは「訪韓するイスラム教徒観光客の数は2012年の54万人から毎年2けた成長を続けているが、韓国の観光インフラは大幅に不足しており、改善が急がれる」と指摘している。韓国全国でハラール(イスラム法の作法通り調製された食品)認証を受けている飲食店は10カ所、モスク(礼拝堂)は20カ所に過ぎない。このため、イスラム教徒観光客はソウル・梨泰院や江原道南怡島など食事・礼拝設備のある一部観光地以外は訪問が難しいままだ。