1. 金正男氏、工作員が殺害か 北朝鮮、遺体引き渡し要求
【クアラルンプール、ソウル共同】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄で、マレーシアで死亡したとされる金正男氏(45)について、ロイター通信は15日、米政府当局者が北朝鮮の工作員によって殺害されたとみていると報じた。マレーシア紙スター(電子版)によると、北朝鮮大使館側は遺体の引き渡しを要求しているが、マレーシア当局は検視など死因の調査を続ける。
スター紙が伝えたところでは、正男氏は13日午前9時ごろ、クアラルンプール国際空港から出国する直前、空港スタッフに「何者かに後ろからつかまれて、顔に液体をかけられた」と助けを求めた。その後、病院に搬送中に死亡した。
2. 東芝、原発事業損失7125億円 債務超過に、志賀会長辞任へ
経営再建中の東芝は14日、米原発事業で計7125億円の損失が発生し、2016年4~12月期連結決算で処理すると発表した。純損益は4999億円の赤字となり、昨年12月末時点で負債が資産を1912億円上回る債務超過に転落。損失を穴埋めするため、半導体事業を分社化して設立する新会社の全株式売却も視野に入れる。米原発事業では新たな不正が疑われる事案が内部告発で発覚し、調査のため14日に予定していた決算発表を1カ月延期した。
日本を代表する大企業としては異例の事態で、調査の結果次第で業績が大きく修正される可能性がある。責任を取り志賀重範会長が15日付で辞任する。
3. 受精卵検査6施設で臨床研究へ 流産予防に有効か確かめる
日本産科婦人科学会(日産婦)は14日、体外受精した受精卵に染色体の異常がないかを調べて子宮に戻す「着床前スクリーニング」と呼ばれる検査について、名古屋市立大など6施設で臨床研究を実施すると発表した。
日産婦は、既に検査の対象となる女性の登録を開始しており、流産の予防に有効かどうかを確かめる。東京都内で開いた倫理委員会で承認した。
6施設は名古屋市立大のほか東京女子医大、藤田保健衛生大(愛知県)、IVF大阪クリニック(大阪府)、セント・ルカ産婦人科(大分市)。1施設は施設名の公表に同意していないという。
4. 通信傍受、詐欺の捜査で初適用 警察、改正法施行直後に
改正通信傍受法が昨年12月1日に施行された直後の同月中に、警察当局が電子計算機使用詐欺事件の捜査で、関係者の携帯電話を通信傍受していたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。改正法で拡大された対象罪種への適用は初めて。
警察当局は、特殊詐欺や暴力団事件などの組織犯罪に対する捜査で、改正法による通信傍受を積極的に運用する方針。今後は拡大罪種への適用が本格化するとみられる。
捜査関係者によると、傍受は昨年12月の1カ月間に複数の携帯電話に対して実施、通話回数は千回以上だった。昨年末時点で容疑者の摘発には至っておらず、捜査は継続中とみられる。
5. 米、FTA締結を共同声明に要求 日本は難色、表現修正
安倍晋三首相とトランプ米大統領がホワイトハウスでの首脳会談後に公表した共同声明の作成段階で、米側が「日米自由貿易協定(FTA)の締結を目指す」との文言を入れるよう要求していたことが14日、分かった。日本側は難色を示し、最終的には「2国間の枠組みに関して議論を行う」と表現を修正した。複数の日米関係筋が明らかにした。
日米FTAを巡りトランプ政権の個別要求が表面化したのは初めて。日本政府は「FTAについて具体的な要請はなかった」と説明してきたが、日本との間でFTA交渉を進めたいとの米側の姿勢が鮮明になり、協議は難航が予想される。