シリコンバレーも驚く!リクルートの異端児

現場から生まれる「破壊的イノベーション」

現在、MTLでは、約20個のサービスに注力している。

有力なメンターにも支えられ活気づくMTL

たとえば、写真家の蜷川美花氏と共同開発したカメラアプリ「cameran」。素人撮影の写真でも、蜷川美花氏の写真風に編集ができる。“蜷川美花の世界観を実現する”アプリだ。「cameranコラージュ」「cameranアルバム」などシリーズ累計で、海外のユーザーを含め1000万以上ダウンロードされている。SNS機能も追加され、数百万人規模のコミュニティサービスへ成長した。

「蜷川美花さんのようなアーティストやクリエーターともオープンイノベーションをしている。オープンイノベーションは、MTLの大きな特徴のひとつだ」(石山氏)。

人工知能も共同研究で取り組む

MTLは、新サービスの開発だけではなく、先端テクノロジーの研究開発にも力を入れている。特に、MTLが重点的に取り組んでいるのが、まさにトレンドのひとつ「人工知能」だ。リクルートは、膨大な「ビッグデータ」を持つ。さらに、今後は、IoT(Internet of Things)というあらゆるものがネットにつながりデータ化されていく時代になる。リクルートも、人工知能による分析などを取り入れ、新しいユーザー体験を生むことに挑戦していくだろう。

「人工知能を研究するエンジニアの採用をどんどん進めている。海外のスタートアップ企業や大学とも共同研究をしている。2014年12月から、人工知能の研究者を海外に送る組織体制に変えていこうと動いている」(石山氏)。

WILL(意思、願い)こそが破壊的イノベーションの源泉

破壊的なイノベーションを生み出すうえで、石山氏が重要視するのは、とてもシンプルだ。サービスに携わる一人ひとりの“WILL(意思、願い)”。それこそが源泉となる、というのが石山氏の考えだ。

「世界をこんなふうによくしたい、新しいテクノロジーで世界をこう変えたいという“自分たちの実現したいこと(=WILL)”が重要だ。WILLの延長線上に、最終的な“破壊的イノベーション”がある」(石山氏)。

近年、シリコンバレーでは、「カスタマーディベロップメント(=顧客開発)」という言葉が盛んに交わされる。製品開発をする前に、顧客そのものを開発するという手法のことだ。新しい事業を立ち上げる際、まず、顧客のニーズを得て、その後に製品開発をして検証していくプロセスをとる。

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