トップ > 中日スポーツ > 芸能・社会 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【芸能・社会】

おヒョイさん、さようなら 藤村俊二さんに600人が最後の別れ

2017年2月15日 紙面から

藤村俊二さんの祭壇=東京都渋谷区の慈雲山長泉寺で(五十嵐文人撮影)

写真

 「おヒョイさん」の愛称で親しまれた俳優で、1月25日に心不全のため82歳で死去した藤村俊二さんをしのぶ「献花の会」が14日、東京・神宮前の長泉寺で営まれ、落語家の笑福亭鶴瓶(65)や中村メイコ(82)ら藤村さんが所属していた「昭和九年会」メンバーなど、約600人が最後のお別れをした。

 大好きだったかすみ草やローズマリーなどのグリーンと白の草花で彩られた祭壇。経営していたバー「オヒョイズ」の木製看板とハウスワイン、メガネや万年筆などの愛用の品々とともに、はにかむような笑顔の遺影が盟友たちを出迎えた。

 藤村さんの人柄をしのばすメモ書き「かすみ草がいい。誰かと交わっていても目立とうとしない…」も飾られ、喪主の長男亜実(あみ)さんは「感謝や夢心地、そんな気持ちで父もいるのではないでしょうか」と語った。戒名は「愉楽院喜演俊慈居士」。

◆愛のキューピッドに野口五郎夫妻感謝

 歌手の野口五郎(60)とタレント三井ゆり(48)夫妻は「藤村さんは私たちを結び付けたキューピッドだったかも」と感謝した。

 野口が企画した舞台を藤村さんが手伝った際、相手役の女性について野口から相談を受けると内緒で三井の事務所に出演をオファー。「後から僕も知ったけど、たまたまスケジュールのことで、それはうまくいかなかった」という。

 藤村さんから「どういう人がタイプなの?」と尋ねられたことがあり、野口は「彼女(三井)の名前を出したことがあったらしくて、結婚した時に藤村さんから『ホントに結婚しちゃったよ』と言われた」。三井も「すごく不思議な縁を感じていました」と話した。

 野口は、藤村さんがパンツや靴下を1回使用したら捨てる“美学”を持っていたことも披露。藤村さんと一緒に約3カ月の地方公演に出た際、宿泊先で捨てたパンツを戻されて藤村さんが困っていたことや、パルメザンチーズをつまみながらワインを楽しんだ思い出を懐かしんだ。

◆「UFO信じてた」うつみ宮土理

 九年会を通じて親交のあった俳優森山周一郎(82)や中村メイコ、愛川欽也さんの妻のタレントうつみ宮土理(73)も献花に訪れた。

 うつみは番組共演後、藤村さんに誘われ深夜の海にUFOを見に行った思い出を語り「UFOがいることを最後まで信じてた」。森山は数年前に共演したドラマで藤村さんがセリフの“カンペ”を作らせた逸話を明かし「それ以来、年寄りはいいんじゃないかなと。彼が開拓してくれた」。中村は「天国で(九年会の)大宴会ですよ。私もおしゃれして早く逝こうと思います」と話した。

◆「僕の人生にいたことが思い出」黒沢久雄

 黒沢明監督の長男で俳優・実業家の黒沢久雄(71)は約50年間の親交を振り返り「僕の人生の中におヒョイがいたことが一番の思い出」と強調。会の発起人として「息子たちが非常によく面倒をみていたので、負担がかからないよう全部用意した」という。

 おヒョイの由来については「2つある。嫌になるとヒョイと消える。女の子を連れてヒョイとどっかへ行っちゃう」と説明した。

 【主な参列者】笑福亭鶴瓶、ダウンタウン・浜田雅功、野口五郎、三井ゆり、小松政夫、川上麻衣子、金子昇、薬丸裕英、石丸謙二郎、石黒賢、林家たい平、椎名桔平、ザ・ドリフターズ・高木ブー、うつみ宮土理、奥貫薫、ホンジャマカ・恵俊彰、森山周一郎、田山涼成、せんだみつお、別所哲也、中村メイコ、小堺一機、香坂みゆき、濱田マリ(順不同、敬称略)

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ