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【芸能・社会】

小百合120本目映画「北の桜守」 来春公開!北の3部作最終章

2017年2月15日 紙面から

“北の3部作”最終章となる作品に意欲を見せる吉永小百合

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 女優吉永小百合(71)が戦中・戦後の北海道を舞台にした映画「北の桜守」(滝田洋二郎監督、2018年春公開)で主演する。「北の零年」(05年)、「北のカナリアたち」(12年)に続く“北の3部作”最終章。吉永は120本目の映画出演で「夢のようです。北の3部作シリーズのフィナーレを北海道で撮影できるなんて。しっかり力を出し切り、魅力的な作品をつくりたいです」と意気込んでいる。

 「朝を呼ぶ口笛」(1959年)で映画デビューしてから、60年近く邦画界をけん引し続けてきた吉永の記念すべき出演作がついに決まった。今作が公開される2018年は、北海道と命名されてから150年にあたり、配給の東映も「大作になる」と期待する。

 吉永が演じるのは、樺太(サハリン)で家族と暮らしていたが、45年8月のソ連侵攻で北海道の網走に逃げ、貧しい生活の中、息子を命がけで守る母親・江蓮(えづれ)てつ。30代後半から60代の約30年間を演じる。

 大人になった息子の修二郎には、NHK大河ドラマ「真田丸」で主演を務めた堺雅人(43)。吉永と堺はアニメ映画「手塚治虫のブッダ−赤い砂漠よ!美しく−」(11年)で声優として共演。当時、堺の熱演に吉永が感激したことから共演を希望したという。2人は実写映画は初共演で、豪華すぎる親子で物語を盛り上げる。

 吉永が「今回、堺さんとは究極の親子になりますが、頼もしい息子に、思いっ切りぶつかっていきたいですね」と語ると、堺は「今回はより生々しく、より悲しい母子関係になるのではないかと楽しみにしてます」とコメントした。

 今作は「北のカナリアたち」を製作していたころから計画され、構想約7年で発表にこぎ着けた。吉永は1年ほど前から出演を打診されていたが、冬の北海道での過酷な撮影が予想されたため、体力面を考慮しオファーを受けるかどうか慎重に検討したという。ためらいのあった吉永だったが、昨年10月中旬、滝田監督らと物語の舞台のひとつであるサハリンで下見し、昨年冬に出演を決意した。

 撮影は16日に網走で始まる。道内各地や都内近郊で撮影も行い、6月末にクランクアップする予定。過酷なロケに備え、体力づくりに励む吉永は「踏みこたえて、強い母を演じ、春を待ちます」と強い決意で臨む。

◆昨年の骨折は流氷下見で

 吉永は昨年3月、第39回日本アカデミー賞授賞式に、左前腕から手の甲にかけて痛々しいギプス姿で登場し出席者を驚かせたが、今作のために下見に行った際の骨折だった。

 昨年2月、滝田監督とオホーツク海の流氷を見学するため現地に向かった。作品の参考にするためだったが、雪の坂道で滑って転び左手首を骨折したという。

 吉永は「監督は、落ち込む私を明るく励ましてくださいました」と滝田監督に感謝している。

 <「北の零年」> 吉永は明治維新で淡路島から北海道へ移住を命じられた移民団の家臣の妻を演じた。夫役に渡辺謙、娘役で石原さとみが出演。行定勲監督。興行収入27億円を記録。

 <「北のカナリアたち」> 吉永は北海道の離島に赴任した小学校教師を好演。合唱を通して子どもたちを明るく導くが、事故で夫(柴田恭兵)を失う。共演はほかに仲村トオルら。阪本順治監督。興収14.4億円。

 

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