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米「工作員暗殺」 北朝鮮、遺体返還を要求

金正男氏=AP

 【ソウル大貫智子】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏(45)がマレーシアの首都クアラルンプールの空港で殺害された事件で、ロイター通信は15日、米政府当局者が北朝鮮の工作員によって暗殺されたとみていると伝えた。マレーシア紙「スター」(電子版)によると、北朝鮮大使館側は遺体の引き渡しを求めているが、マレーシア当局はまず検死を行い、死因の調査に当たるとしている。

 韓国統一省報道官は15日午前、「殺害された人物が金正男だと確実視している」と述べた。韓国政府はこの日、朴槿恵(パク・クネ)大統領の権限代行を務める黄教安(ファン・ギョアン)首相主宰の国家安全保障会議(NSC)を開催。黄氏は「もし北朝鮮による犯行だと確認されたら、金正恩政権の残虐性と反人道性を示すものだ」と述べ、引き続きマレーシア当局と緊密に連携するよう指示した。

 現地報道や韓国メディアなどの情報を総合すると、正男氏は13日午前9時(日本時間同午前10時)ごろ、クアラルンプール国際空港の格安航空会社(LCC)専用ターミナルで、午前10時(同午前11時)発のマカオ行き便の搭乗手続きをしていたところ、女2人に襲われた模様だ。正男氏は空港スタッフに「何者かに後ろからつかまれて、顔に液体をかけられた」と体調不良を訴えた。毒のような液体を含ませた布が顔にかぶせられたとの報道もある。正男氏は空港の診療所に運ばれた後、近くの病院に向かう途中で死亡が確認された。マレーシア警察は防犯カメラの映像などから女2人の行方を追っている。

 マレーシア警察の発表によると、正男氏とみられる男性が持っていた旅券(パスポート)には「キム・チョル、1970年6月10日、平壌生まれ」と記されていた。「キム・チョル」は正男氏が偽造旅券を使う際、頻繁に使用された名前とされる。正男氏は今月6日、マカオからマレーシアに入国したという。

 韓国紙・朝鮮日報によると、マレーシアには北朝鮮の海外工作機関である朝鮮人民軍偵察総局傘下のサイバー作戦基地があるとされる。正男氏の暗殺指令情報はこれまでもたびたび流れており、正男氏は危険を感じて韓国など第三国への亡命を図ろうとしていたとの情報もある。

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