トランプ政権初の一斉摘発 不法移民680人逮捕

アメリカの国土安全保障省は、トランプ政権が発足してから初めてとなる不法移民の一斉摘発を行い、およそ680人を逮捕したと発表しました。
アメリカ国土安全保障省は13日、移民行政を担当する移民関税執行局が、先週各地で不法移民の一斉摘発を行い、およそ680人を逮捕したと発表しました。

不法移民を対象にした一斉摘発は、トランプ政権が発足してから今回が初めてで、逮捕者全体のおよそ75%は過去に殺人や性犯罪、それに麻薬の密輸などの犯罪歴があったということです。

オバマ政権では、不法移民であっても悪質な犯罪のおそれなど特段の事情がある場合を除き、強制送還を猶予する政策をとっていました。

これに対し、トランプ大統領は、大統領選挙中から犯罪歴がある不法移民を速やかに国外に強制送還する考えを示したほか、先月25日には、メキシコとの国境沿いに壁を築き、国境警備を担う職員を増員することなどを命じる大統領令に署名し、不法移民に対し、厳しい姿勢で臨むことを強調してきました。

今回の摘発について、アメリカメディアは、犯罪歴がなくても逮捕された不法移民もいると伝えており、移民の権利擁護を訴える市民団体からは「不法移民であれば誰でも逮捕される可能性がある」などと懸念する声も出ています。