実名口コミの Retty と予約台帳のトレタが連携、「電話いらず」のウェブ席予約に拡大の予感

Takeshi Hirano by Takeshi Hirano on 2017.2.15

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飲食店の予約台帳サービス「トレタ」は2月15日、実名の口コミレストランガイドの「Retty」と連携を開始したと発表した。トレタを導入している店舗に集客するメディア連携サービスであるトレタメディアコネクトに Retty が参加した形で、これで連携先は18法人21サービスとなる。

今回の連携により Retty に掲載されているレストラン店舗ページ上に、トレタが提供するウェブ予約サービスへのリンクを表示させることができるようになる。利用したいレストラン側は Retty、トレタ共に有料での契約が必要で、ユーザーは Retty で友人のおすすめする店舗の情報を確認し、その場でオンライン予約を完了することができるようになるほか、店舗側は Retty 経由での来客情報を得ることができるようになる。

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トレタメディアコネクトの考え方についてはこちらの記事にてお伝えしているので参照されたい。

ペコッターからもオンライン予約が可能にーー予約台帳のトレタが8媒体と連携

リリースによると、Retty の2016年5月時点での月間利用者数は2200万人で、実名での投稿数は350万件を超えるなど、先行していた食べログ、ぐるなびのようなレストラン検索に見劣りしない規模に成長している。またトレタの導入店舗数は8000店舗に到達しており、この手の連携にありがちな「話題性はあるけど実施には使えない」(両方のサービス契約が必要なため)といった壁を乗り越えられる時期にきているのではないだろうか。

トレタ代表取締役の中村仁氏は、個性的なグルメ系メディアを束ねて集客導線とするメディアコネクトのアイデアと昨今の飲食店事情についてこのように解説してくれた。

「現在は消費者の好みが細分化されている一方で、それに呼応するように飲食店自身もニッチ化・個性化がどんどん進んでいます。ですので飲食店は今後、グルメ媒体活用においては「最適なメディアミックス」を考えていかなくてはなりません。トレタは、電話やネット予約も含めたすべての予約の一元管理を実現し、さらにリピート率まで含めた集客パフォーマンスを見える化することで、どんなお店でも高度なメディア活用ができるようにしてきたい」(中村氏)。

Retty の強みは無味乾燥なスコアではなく、友人知人といった知った顔がおすすめしてくれる情報にある。中村氏によると、信頼するユーザーによるリコメンデーションを通じて店舗と客をマッチングできる可能性があるということから店舗側の期待値が大きいということで、導入がどのように進むのか大変興味深い。

店舗さえ導入してくれればレストランのウェブ席予約は現実味を帯びてくる。

これまで当たり前だったスマホでレストラン検索して電話で予約、という風景がようやく変わるかもしれない期待の連携だけにこちらの利用状況についてもまた情報が届き次第お伝えしたいと思う。

Takeshi Hirano

Takeshi Hirano

ブロガー。TechCrunch Japan、CNET JAPANなどでテクノロジー系スタートアップの取材を続け、2010年にスタートアップ・デイティング(現THE BRIDGE)を共同創業。1977年生。(株)THE BRIDGE代表取締役

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