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  • 知事選の前哨戦である2市長選で連敗し「オール沖縄」は苦境に
  • 又吉氏は保守層を意識し「オール沖縄」色を抑えたことが裏目に
  • うるま市長選は辺野古反対に特化した戦術を展開できるかが鍵に

 2018年沖縄県知事選の前哨戦の一つとして位置付けられた浦添市長選は、自民が公明と共に推した松本哲治氏が2期目を勝ち取った。自民は1月の宮古島市長選からの2連勝。翁長雄志知事ら「オール沖縄」は苦しい状態に立たされ、市長選3連戦の最後となる4月のうるま市長選の勝敗に注目が集まる。(政経部・銘苅一哲)

1月の宮古島市長選挙で応援演説する翁長雄志知事=宮古島市

1月の宮古島市長選挙で応援演説する翁長雄志知事=宮古島市

 自民は保守系市長でつくる「チーム沖縄」の一人である松本氏を当選させたことで、11市のうち9市長が協力する状態を維持した。「チーム沖縄」は「オール沖縄」に対抗する勢力として各種選挙で自民候補の主戦力を担っており、うるま市やその後の主要選挙を有利に進める要素となる。

 「オール沖縄」勢力は14年の知事選以降、市長選で勝ち星を挙げられていない。

 協力する市長は那覇と名護の2市にとどまり、うるまで市長選初勝利を実現できるかが知事選の行方に大きく影響する見通しだ。

 浦添市長選は「オール沖縄」を構成する県政与党の社民、社大、共産、自由、民進に加え「反現職」で一致した維新も協力。又吉健太郎氏は「オール沖縄」を表立ってアピールせず、保守や経済界などに枠組みを広げ支持を集めようと試みた。

 だが、「オール沖縄」が翁長県政を誕生させた最大の強みとなった「辺野古反対」の姿勢が不鮮明となり、結果的に落選へとつながった。

 今後は「オール沖縄」があらためて反辺野古に特化した選挙戦術を展開するのか、保守や企業、国政野党の維新を強く意識する「浦添方式」を踏まえるのかが課題となる。

 また、宮古島市長選で知事と与党の一部が異なる候補を応援し、両氏が落選した勢力内の「しこり」も又吉陣営のマイナス要素となった。連敗で関係修復はさらに複雑化しそうだ。