Google Analytics(グーグルアナリティクス)には、「時短テクニック」、「作業簡略化テクニック」、「分析テクニック」など、知っているとより効率的に業務を行えるテクニックがいくつかあります。
今回は、そのGoogle Analyticsのマル秘テクニックをご紹介します。
皆さんの作業時間の短縮や、新しい視点での分析の足がかりになれば幸いです。
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1.1秒で期間指定をするテクニック
まず初めに、簡単なテクニック
「1秒で期間指定」をご紹介したいと思います。
皆さんはGoogle Analyticsで期間指定をするとき、どのように操作しているでしょうか。
画面右上の期間表示をクリックして、カレンダーから選択している方が多いと思います。
この方法だと、何度か画面をクリックする必要がありますが、ショートカットキーを用いれば、カレンダー表示を開くことなく、期間を指定することができます。
今日 |
「d」+「t」 |
昨日 |
「d」+「y」 |
先月 |
「d」+「m」 |
先週 |
「d」+「w」 |
前の期間と比較 |
「d」+「c」 |
ショートカットキーは、「day」の「d」や「today」の「t」、「yesterday」の「y」など、すべて英語表記の頭文字になっているので、覚えやすいかと思います。
このようにショートカットキーを用いれば、たった1秒で期間を指定することができます。
2.Google Analytics上でグラフ作成をするテクニック
次に、ExcelやWordなどの
資料にそのまま使えるグラフを、Google Analytics上で作成する方法をご紹介します。
Google Analytics上で取得した数値を元に資料を作る際、数値をただ並べるだけでなく、グラフ化すると、見る側としてはより分かりやすいですよね。しかし、わざわざExcelでグラフを作るとなると手間がかかります。そこで、Google Analyticsのグラフ機能を使います。
まず、Google Analyticsにログインします。
表の右上にある下図のようなイラストをクリックすると、グラフとして表示されます。
「円グラフ」のイラストをクリックすると、以下のように、自動で円グラフが作成されます。
このページは、PDFとしてダウンロードすることができます。一部分のみ資料に使いたい場合は、必要箇所のキャプチャをとって、資料に画像を挿入してください。
円グラフの他にも、「棒グラフ」や「サイト平均との比較グラフ」、「キーワードクラウドグラフ」、「ピボットグラフ」があります。
セカンダリディメンションを指定することで、さらに細かくデータを分けたグラフにすることもできます。
このように、Google Analyticsは数値をビジュアライズすることで、データを分かりやすく、分析しやすく伝えることができる便利なツールです。
資料作成の簡略化や
視覚化による伝わりやすさの向上に是非活用してください。
3.投資すべき流入元とキーワードを見つけるテクニック
アトリビューション モデル比較ツールとは
「モデル比較ツール」をご存知でしょうか。画面左メニューの一番下にあります。
この機能を用いることで、コンバージョンが得られる
投資すべき流入元やキーワードを見つけることができます。
「モデル比較ツール」では、各流入元がコンバージョンに対してどのくらい寄与しているのかを見ることができます。
Google Analyticsでは、Webサイト上での購入や予約、問い合わせなどをコンバージョンとして設定し、計測することができます。
モデル比較ツール以外で確認するときは、コンバージョンに至る前の、最後にクリックしたチャネルでカウントされますが、モデル比較ツールでは、コンバージョンに至るまでの中間接触に対してコンバージョンを割り振ることができます。
例えば、コンバージョンが自然検索から獲得できているWebサイトがあったとしましょう。
ユーザーは自然検索で最初にそのWebサイトに接触し、そのままコンバージョンしているとは限りません。モデル比較ツールを使用することで、コンバージョンしたユーザーの多くが有料検索(Web広告)やSNSで最初に接触し、コンバージョンに至っている可能性があります。
このようなときに、自然検索からのみコンバージョンが獲得できるとして、Web広告の出稿やSNSでの情報発信を止めてしまうと、自然検索からのコンバージョンも減ってしまう可能性があります。
コンバージョンの割りあて方法(モデル)
コンバージョンを割り振る方法は、基本設定として7モデルあり、その他にも、カスタムでオリジナルの振り方を指定することもできます。こちらでは、基本設定の7モデルについてご説明します。
・終点モデル
コンバージョンに至る直前にユーザーが利用していたチャネルにすべて割り振られます。
初回接触からコンバージョンに至るまでの検討期間が短く、1度の接触によって、コンバージョンされるか、されないかが分かれる商材で用いられます。
・最後の間接クリックモデル
コンバージョンに至る前、ユーザーが最後にクリックしたチャネルにすべて割り振られます。なおノーリファラーの場合は無視されます。
ノーリファラー内に含まれるデータの内訳が不明であるため、「最後の間接クリックモデル」を用いることで、確実なデータだけを使って分析を行うことができます。
・AdWords広告のラストクリックモデル
コンバージョンに至る前、ユーザーが最後にクリックしたGoogleAdWordsの広告にすべて割り振られます。
どの広告がコンバージョンにもっとも寄与したかを確認する際に用いられます。
・起点モデル
コンバージョンに至ったユーザーが、最初に接触した際のチャネルにすべて割り振られます。
終点コンバージョンが商品名検索によって最も多く獲得している場合、ユーザーはどこかで接触しているはずです。どの接触がコンバージョンに影響を与えているのかを分析する際に用いられます。
・線形モデル
初回接触からコンバージョンに至るまで、ユーザーが接触したすべてのチャネルに対して均等に割り振られます。
いつ、どの接触であろうとも、コンバージョンに対して等しく影響を与えていると考える際に用いられます。
・減衰モデル
コンバージョンに至る直前、ユーザーが接触したチャネルに最も価値を置き、それ以前のチャネルに対してはコンバージョンから遠ざかるほど価値が下がっていくモデルです。
コンバージョンに近い接触ほど、コンバージョンさせる力が強いと考える際に用いられます。
・接点ベースモデル
ユーザーが接触した起点と終点に最も割り振り、残りを中間の接触に割り振ります。
商材の認知とコンバージョンに直接関わった接触を重視する場合に用いられます。
価値の高いキーワードの見つけ方
モデル比較ツールでは、
プライマリディメンションを選択することで、チャネル単位や参照元/メディア単位での比較が行えます。
さらに
セカンダリディメンションを使用することで、検索語句単位での比較を行うことができます。
自然検索においてユーザーが検索した語句は
「キーワード」で、有料検索においてユーザーが検索した語句は
「検索クエリ」で取得することができます。
プライマリディメンションを参照元/メディアにし、セカンダリディメンションでキーワードもしくは検索クエリを指定することで、
注力すべき価値の高い検索語句を見つけることができます。
その方法を、以下にご説明します。
まず始めに、モデル比較ツールで下記の2つのデータをダウンロードします。
(1)のデータ
期間:先月
プライマリディメンション:参照元/メディア
セカンダリディメンション:キーワード
※有料検索の数値は、(2)で取得するため(1)から削除しておきます。
(2)のデータ
期間:先月
プライマリディメンション:参照元/メディア
セカンダリディメンション:検索クエリ
※有料検索の数値以外は(1)に含まれているため、有料検索の数値以外は削除しておきます。
(1)と(2)のデータを合わせ、これをデータAとします。
次にセッション数を得るために、
「集客>すべてのトラフィック>参照元/メディア」に移り、下記の2つのデータをダウンロードします。
(3)のデータ
期間:先月
セカンダリディメンション:キーワード
※有料検索の数値は、(4)で取得するため(3)から削除しておきます。
(4)のデータ
期間:先月
セカンダリディメンション:検索クエリ
※有料検索の数値以外は(3)に含まれているため、有料検索の数値以外は削除しておきます。
(3)と(4)のデータを合わせ、データBとします。
続いて、データAとデータBを合わせ、各キーワードもしくは検索クエリにおける
セッション数、起点コンバージョン数、終点コンバージョン数が分かるデータを作成していきます。
データAとデータBにおいて、参照元/メディアとキーワードもしくは検索クエリをCONCATENATE で結合し、VLOOKUP によってデータBからデータA上にセッション数を持ってきます。
この数値を元に、ピボットテーブルを作成します。
上のイメージ画像の、キーワードAと検索クエリa、キーワードBと検索クエリbは同一の検索語句と考えていただければと思います。
各検索語句でセッション数における起点コンバージョン数と終点コンバージョン数の割合を求め、それぞれ起点コンバージョン率と終点コンバージョン率として捉えてください。
上図の例では、最も起点コンバージョン率が高い検索語句はCの32.67%ですが、Cは終点コンバージョン率が最も低く1.33%です。
つまり検索語句Cで直接コンバージョンを獲得できないために、有料検索でCに対する配信を弱めたり、そもそもキーワードを入札しなかったり、検索語句Cに対してSEO対策を行わなかったりすると、全体に対するコンバージョン数が減少する可能性があります。
また、検索語句Cのセッション数は他の検索語句よりも比較的少なく、有料検索で強めに配信したり、Cに対するコンテンツを多く用意して自然検索で上位を狙ったりすることで、さらなるCV獲得を狙うことができます。
逆に、検索語句Dは起点コンバージョン率が低いですが、終点コンバージョン率が最も高い検索語句です。
そこで、検索語句Cによって流入したユーザーに対して、Dを検索した際に広告を表示させる
「検索リターゲティング」を利用して広告を配信し、コンバージョンを確実に獲得するシナリオも描けます。
このように、モデル比較ツールを使うことで、コンバージョンを獲得しやすいのにも関わらずセッション数が少なく、まだ投資の余地のあるキーワードを見つけることもできます。
テクニックを駆使して作業効率・分析力アップを目指しましょう!
Google Analyticsには、このように様々なテクニックが存在します。
今回ご紹介したもの以外にも多くのテクニックがありますが、どれも身につけるには実践あるのみです。
Google Analyticsを使いこなせれば、業務の効率が上がるだけでなく、より細かい分析が可能になりますので、是非試してみてください。
(執筆:相馬、編集:マツイ)
■著者紹介
執筆:株式会社ジャックアンドビーンズ 相馬 響子
■メディア紹介
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