2006年2月19日 (日)

サンデー毎日の記事について

だいぶ出遅れてしまったが、先週発売の『サンデー毎日』にゲーム脳関連の記事があった。

http://www.zasshi.com/ZASSHI_SOKUHOU/data/sundaymainichi.html
ゲームで脳が壊れる説に学会はブーイング
岡田尊司著「脳内汚染」、作家・川端裕人
ゲーム脳/脳波を知らない素人が批判しているだけだ
森昭雄・日大教授/精神科医・斎藤環

ベストセラー「脳内汚染」で注目されるゲームで脳が壊れる説に学会はブーイング

○報道記者出身の作家、川端裕人氏へのインタビューから引用。
「精神科医の斉藤環さんや日大教授の小笠原喜康さん(学力論)らがすでに、
指摘していいます。消滅してもおかしくない珍説なのです」
「ところがやっかいなことに、実際には『ゲーム脳』という
あやふやな『科学』が学校現場にしっかり入り込んでいるようです。
”ゲーム脳追放”のカリキュラムが組まれたり、講演会、
イベントが教育委員会の後押しで開かれたこともあるほどです」
「全く確立していない『未』科学な議論を、
あたかも科学的なものとして紹介することは、
理科教育、科学教育としては、まずいんじゃないでしょうか」

○日本の神経科学の権威、
久保田競名誉教授氏(大脳生理学)へのインタビューから一部引用。
「森さんは僕の論文を引用して『ゲーム脳の恐怖』を書いているんですよ。
でも適切に引用できていないんです。僕の編集した本も引用できていませんね。
引用のし方がわかっていないのでしょう。
彼自身、脳の論文が二つくらいあるようでが、これまた十分ではありませんね」
この他、森氏は自作の脳波計の精度を脳波関係学会で発表するべき”、
”まともな研究者からは相手にされていない”と批判。いましたが分割で載せます。

○京都大学大学院教授櫻井芳雄氏(神経科学)へのインタビューから一部引用。
「大事なのは、一緒に変化している事柄でも、
二つの間に因果関係があるかどうかは全く別問題だということです」
「一見、説得力があるけど、全然関係がないんです」
「一緒に変わったからコレとコレは関係するなんていうのは、
サイエンスをやっている人間は絶対にやらない。基礎中の基礎です。
因果関係というのは、どちらかを減らしたら一方も減る。
一方を増やしたら一方も増えるという関係が常に成り立つ時に言えるのです」
「(森氏の)所属学会がNeuroscince(米国)とはアバウトですね。
こういう学会はありませんよ。日本神経科学学会にも所属していらっしゃいますが、
論文を聞いたことがありませんね」

○「脳内汚染」著者岡田尊司氏へのインタビューか一部ら引用。
「因果関係はハッキリしています。実際には全て統計検定をかけています。
学術書ならこういう形で検定したと一つ一つ書く。
だけどそんなの書いていたら一般書では読みにくくてしょうがない。
この本が学術書として書かれたなら、かなり甘い書き方になっているかもしれないが、
あくまでも一般書ですから」
「子供たちの脳がおかしくなってる危機感が現場にはあるんです」
「(批判に対して)海外の科学誌に投稿する予定です。
なかなか時間がとれませんが、今準備の段階です」

○「ゲーム脳の恐怖」著者森昭雄氏へのインタビューから一部引用。
「斉藤環さんというゲームマニアみたいな人が、僕の批判を書いている。
悪いけどあの人は脳波を知らない。素人です。
生理学の知識の無いかわいそうな人なんですよ。
僕は医学部でも実習で教えましたからね。
彼よりはまあ10倍くらいは知識がありますよ(笑)。対談してもかまわない。
恥ずかしくて彼はものが言えないと思いますよ。
(ゲーム脳)反対論者は「何で脳科学者は森批判をしないのか」と言いますが、
できるわけがありません」
「近く、ゲーム脳に関する大きな講演会を開きます。期待してください」


この他、斉藤環氏の著作『心理化する社会』からの抜粋で、
まずは国際基準に準拠した形での計測を行い、
その上で森氏の”発明”『ブレインモニタ』の信頼性を検証する必要があると記載。
日本神経科学学会会長、大阪大名誉教授津本忠治氏へのインタビューにて、
「こういったトンデモ本は神経学に対する信頼を損なうことになる。
今までは放置の姿勢だったが、これからは間違いを正すべく努力したい」と表明。

森教授の斉藤氏批判が笑える。
間違いを的確に批判されたからって人格批判とかしている辺り
2chのレベルの低い煽りとまったく変わらない。
森教授の言う大きな講演会と言うのはおそらく世田谷区の講演会のことだろう。
これに関してはこちらのお方がカウンターを既に出しており回答の方も着ているようだ。
世田谷の講演会に関してはこの人に任せる他ないようだ。
しかし、ようやく日本精神学学会が動き出すか…。
事実を広めるにはやはりその道の専門家の言葉が一番だろう。
3月にはこれに関連するシンポジウムも開かれる。
ゲーム脳もそろそろ終わりが近い…?

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2005年12月10日 (土)

またやっちゃったね、文春

以前、広島の事件でダンボールのふたを止めていたテープの形は
何かの何号ではないかという、憶測が出ていた。
止めてあったテープの形はXとI。
文春は粘着テープの止め方が某週刊誌連載の漫画の影響と
主張し、猟奇的で悪質とその漫画を叩きまくっていた。
まあ、結局は日本語理解度20%(自称)の外国人だったわけだが。
文春、週刊誌出版している出版社に謝罪くらいしとけよ。

そして、今週号では
『幼児レイプ本がバカ売れする最新「ロリコン事情」 性犯罪者にGPSを装着せよ!』
…とか煽った記事を書いている。
今回の記事は栃木の事件のことを受けて書いているのだろうけど…。
しかし同日、警察は性犯罪目的ではなく、猟奇目的の犯行という見方を強めた。
またアテが外れた文春。
文中では満遍なくウソを書いているし。
とりあえず、読んだ人の感想を抜粋。オレは買う気ナシ。

たった一軒のアダルト書店で『スーツ姿の会社員らしき男も、
幼女物を好んで買い、売り上げの上位を占めている』だって。

童顔児童体型のAV女優のビデオや、少女モデル撮影会などで、
水着姿まで児童ポルノを回避していると。二次元についても、
『法の網をかいくぐる』脱法扱いで、PCの『幼児ゲーム』や、
先に書いた園(rの編集後記を文中に出しているわ、写真も、
一番上の雑誌の表紙には下半身部分にモザイクをかけており、
エロゲ含めて4つ出していた。

以前の記事みたいに『エロゲのほとんどはロリコン物』とは、
書かずも、『”鬼畜コミック”の存在を許してはならない』、
との締めで販売・製造禁止を要求している。

しかも「何で取り締まらなくちゃいけないのか」理由も明確に書いていない。
二次と三次を、それも盗撮なんかとごっちゃにして書いた挙句、
「撮影程度で済めばよいが、行為はエスカレートしがちなものだ」って書いてる。
撮影だって盗撮じゃ、十分問題ですが…それに「エスカレートしがち」というのも
記者の主観だけで根拠不明。

まんべんなく嘘だらけだが、言外にひとつだけ本当のことを書いてる。

かつてロリコン天国だったというのも捏造だが、
日本ではもともと合法な児童ポルノなんかなかったわけで、
児童ポルノ禁止法で壊滅したのは少女ヌード写真集というくだり。
児童ポルノの天国だったなら児童ポルノが壊滅しなきゃおかしいんだが。

どうせ捏造だらけなのに変なポイントだけ箇所に妙に正確。

しっかり去年の記事の二番煎じだったようだ。
まがりなりにも商業誌なんだからちゃんとした記事書けよ…とも思うのだが。
漫画叩きの結果、文春は売上げ落としたそうだ。

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