Amazon Echoの最大の売りはハンズフリーだ。何か言うと反応する。このインターフェイスが世界最大のオンラインショップによって提供されていることから、Amazonは物を買うことに抵抗することが難しい世界を作り上げようとしている、と思われがちだ。確かにEchoはその手順をシンプルにしてくれる。そしてAmazonの幹部たちもそのような内容のことをこれまでに発言してきた。
だがここにきてAmazonのCEO ジェフ・ベゾスはその考え方に否定的だ。ビルボードが行った先週のインタビューでベゾスは「音声インターフェイスは、それほどショッピング向きではない」という内容の発言をしており、「オンラインショッピングのほとんどはこれからもディスプレイで行われる」と予測している。ベゾスはさらにEchoの音声AI「Alexa」は “当初は” 家の中でのタスクを簡略化するために使用されると述べている。
ベゾスの頭の中には、今いったいどんなことが浮かんでいるのだろうか? ベゾス自身も音声認識テクノロジーはまだまだ完璧からはほど遠いと発言しており、その実例を上げるのは難しくない。またStatistaのチャートが示す通り、Echoオーナーのほとんどはオンラインショッピングのためにデバイスを使用していない。Experianが2016年暮れに180人のEchoオーナーに行った調査によると、Alexaに指示してAmazon Primeで何かを購入したことがある、と答えたEchoオーナーは32%だった。
ベゾスによると人は「Alexa」にもっとシンプルなタスクをお願いすることが多いようだ。例えば、音楽を再生したり、ニュースを読み上げだり、スマートライトを調整したり、などのタスクだ。音声認識テクノロジーには恐らくまだまだ伸びしろがあり、人々が「Alexa」任せであらゆるものを購入する未来が来るのかも知れないが、現時点では人はまだまだ画面を見てモノを購入することを好んでいる。となると、次のEchoデバイスには画面が搭載される、と聞いても誰も驚かないだろう。
Statista
(敬称略)
[原文:Jeff Bezos says the Echo 'isn't about' getting people to shop on Amazon, and he may be right(AMZN)]
(翻訳:まいるす・ゑびす)