「いらすとや」のランダム機能を活用した三題噺が、今、ぼくの中で熱い。
1万点を超えるかわいい画像の中から、ランダムで3枚を引き、つなぎ合わせお話を作る。ブロガーの夜中たわしさんが、開発したメソッドだ。
彼の三題噺を読んで感銘を受け、すぐさま実践した。
頭の体操になり、なにより楽しい。しかし問題がある。
記事の更新をTwitterでつぶやく度に、フォロワーが減るのだ。少なくとも15人は減った。更新した直後に減ったので、この三題噺が不評だったのは間違いない。
悩んでいると、貴重なご意見をいただいた。
@hobiwolog うむ。当方、やろうと思ってあきらめました。最近はグーグル先生が愛を理解するようになったそうです。愛を込めて書けば良いのではないでしょうか?
— 池沼マスオ@はてなブログ (@move_wife) 2017年2月14日
@capuchinyou2 分かりました!明日は四題話に挑戦してみます!
— ホビヲ (@hobiwolog) 2017年2月14日
アドバイスに感謝!「愛」をテーマに、四題噺に挑戦することにした。
4枚のお題
「いらすとや」のランダム機能で出てきた4枚の画像は次の通り。
- 1枚目、寝落ちのイラスト
- 2枚目、魚をモリで突いているイラスト
- 3枚目、ヘビースモーカーのイラスト
それではいってみよう。
四題噺「愛」
1
プロブロガーのP氏は、いつもネタを探している。
ブログネタのために生きていると言っても過言ではない。今日も海に出てモリで魚を仕留めた。
獲った魚を食べるなんてことはしない。これまで何度も記事にしているから。
今回は魚の剥製に挑戦するのだ。モリで傷ついた部分もそのままに、膨大な手間と費用を掛けて。それをネタに記事を書けば間違いなくウケる。プロブロガーP氏は確信していた。
剥製にする過程を写真に撮り、複数回に分けて記事にした。大きなことを成し遂げようとする人を読者は応援する。魚の剥製に試行錯誤し、たったひとりで挑戦するP氏のブログはバズりにバズった。
P氏の思惑は当たった。一連の記事はGoogleで「魚 剥製」と検索すると上位に表示されるようになったのだ。
やはり愛のあるコンテンツは強い。
しかし、ここで終わるのはただのブロガー。プロブロガーのP氏には次の考えがあった。
2
P氏には彼女がいた。彼女もまたブロガーで、P氏の熱烈なファンだった。彼の何をも恐れない行動力に惹かれ、アプローチして付き合い始めたのだ。
クリスマス、P氏は魚の剥製を彼女にプレゼントした。
「この剥製、君のために作ったんだ」
「え?いいの?私のために!私なんかのために!?」
号泣する彼女。P氏のブログの読者である彼女は、これまで彼が弱音を吐きながらも、やり抜いた工程をもちろん知っていた。それが、まさか自分のためだったなんて。サプライズに嗚咽してしまった。
P氏も、彼女も、ことの顛末をブログに書いた。それぞれかなりのPVを稼いだ。魚の剥製のアフィリエイトも好調だった。
3
P氏はPCの前で、自己嫌悪に陥っていた。
正直言うと、魚の剥製も彼女のことも、それほど愛してはいない。
ブログのネタになるから、PVを稼げるから、やっているだけなのだ。
自分が一番よく分かっている。心から好きなことがない、愛するものがない、という哀しさを。虚しさを。
最初はブログに書きたいことがあった。好きな映画、漫画、グルメ、テレビ番組、本、などネタに事欠かなかった。
プロブロガーになってからは何かが変わってしまった。自分が愛することではなく、ネタのために生きるようになった。
言ってしまうと彼女もネタだ。申し訳ない。本当に、どうすればいいのだろうか。
懺悔の値打ちもない。そう思いながら、いつの間にか眠ってしまった。
4
一方、彼女はしたたかだった。
プロブロガーP氏にアプローチした理由は二つあった。
ひとつはお金のため。彼女もまたプロブロガーを目指していた。自分のブログをメジャーにし、稼ぐためにはもっと有名になる必要があった。それには、引き上げてくれる人が必要だ。勢いのあるP氏なら間違いないと思った。
彼なら私をメジャーにしてくれる。そう思って付き合い始めたのだ。
二つ目の理由は男だった。自分を裏切った男を見返すためだ。信じていた彼には別に女がいた。ショックだった。絶対に許さないと誓った。
自分がどれだけ充実した日々を送っているのか。幸せな日々を送っているのか。裏切った男に見せつけてやろうと日々、ブログを更新しているのだ。効果はあるようで、噂によるとストレスのせいか裏切った男のタバコの量は増えているらしい。
P氏との幸せな日々を盛りに盛ってブログ記事にする。それが彼女の日課になっている。
モニターから横に目をやると。P氏がプレゼントしてくれた魚の剥製が目に入った。
彼女は呟いた。
「逃した魚は大きいぞ」
おわりに
この四題噺は、まったくもってフィクションである。
ちなみに、ぼくはブログのために生きてなんかいない。念のため。