読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Outward Matrix

戦略コンサルタントのブログ。コンサルティング業務、英語、戦略策定、採用、育成等について書いています。

MENU

志望動機をガチで作るための6ステップについて詳述する

就職活動

スポンサーリンク

こんにちは、Shin(@Speedque01)です。就職活動をしている学生さんたちの悩みのひとつが、「志望動機が作れない・・・!」というものです。

今までちゃんと働いた経験もないのに、すぐさま「私はぜひとも御社に入りたいと思っています。なぜなら~」と滔々と語る、というのはほぼ不可能じゃないか、みなそう思ってしまうのでしょう。

その結果さまざまなサイトや書籍に載っている「それっぽい」情報をなんとなく自分の頭に刷り込み、ペラペラの志望動機を言わざるを得ない、という状況に陥っているのではないでしょうか。

自分が本当に行きたいと思える企業を見つけ、それに論理や経験、自分の特性などにより肉付けをして一本のストーリーとすること。それが志望動機作成のプロセスです。なんとなくそこらへんのサイトからほかの人が言っていたことを引っ張ってきて、自分のバイトリーダー経験と組み合わせてハイ完成、というわけにはいかないのです。

付け焼刃的なフォーマット紹介はいくらでもネットに溢れているので、今回はガチで志望動機を組み上げるために必要なステップについて詳述していこうと思います。

※できれば3年生や院1年生になる前から実践すると、だいぶ余裕が持てるのではないかなと考えています。

ステップ1:ピンとくる業界を探す

まずはこちら、「ピンとくる業界を探す」です。

世の中にはいろいろな業界があります。ぼくが勤めているコンサルティング業界、いつも人気の商社や広告代理店、石油業界、IT業界、金融業界、国家公務員などなど挙げていけばキリがありません。さらに、「金融」といっても銀行、証券、保険などなどさまざま。さらにキリがなくなってしまいます。

すべてを網羅的に見ることは難しいかもしれませんが、ある程度のレベルまで掘り下げていくことは可能です。マイナビは結構網羅的にまとめてくれていますね。

job.mynavi.jp

こういうところを読んだり、両親など周りの人の話を聞いてみて、ピンと来る業界を探してみましょう。さらに興味を抱くために、その業界が舞台となっている小説を読むのもいいですね。

商社だったら不毛地帯とか。

 

コンサルだったらロジカルプレゼンテーションがいいですね。

 

投資銀行だったら巨大投資銀行とか。

 

公務員なら官僚たちの夏ははずせない。

 

このようにネットで調べたり人から話を聞いたり対象業界の小説を読み、「ピン」と来る業界を探してみましょう。「行きたい業界なんかないよー」という人は、単純に浴びる情報が少なすぎる可能性が高いです。いろんなところから情報を仕入れ、自分のアンテナに引っかかるところをチョイスするのです。

今はネットでも大量の情報があるし、その業界の本もある。少し勇気を出せばその業界で働いている人とランチをしながら話すことも全然難しくない。

まずはいろいろ情報を集めてみましょう。

ステップ2:長期インターン or アルバイトをする

いろいろなWeb情報や書籍からインプットをし、「ここの業界、興味あるかも!」と思ったら次のステップに進みましょう。それは、「長期インターンもしくはアルバイトをすること」です。

就職活動で悩む学生さんからよく聞く愚痴は、「何やってるかもわからないのに志望動機なんか作れるはずないよ・・・」というヤツです。これには超同意です。

エスパーでもないのに、やったこともないものについて完璧に理解することなんてできません。読んだだけでは何なのかわからなかったことも、実際にやってみたらとてもよく理解できたという経験はみなさんにもあったのではないでしょうか。(少女マンガを数百冊読むより、実際に恋愛してみたほうが異性のことを理解できるようになる、みたいな。)

「何をやっているのかもわからないのに志望動機が作れるはずがない」のであれば、対策は非常にシンプルです。やってみればいいのです。

大企業でもイケイケベンチャーでも、優秀な人材を探す努力は常に実施しています。早め早めに優秀な学生に目をつけ、刈り取ろうとしています。学生としてもそこにつけこみまくってしまえばいいのです。

少し探してみればインターンなどいくらでも募集しています。

17卒対象で募集は締め切られていますが、超有名外資系投資銀行UBSの株式調査部が募集していますね。

gaishishukatsu.com

サイバーエージェントでも長期インターンを募集しています。

www.cyberagent.co.jp

ちょっと昔の情報ですが、経済産業省でも中長期のインターンシップを募集していますね。

中長期研究インターンシップ(METI/経済産業省)

このように少し探してみればインターンシップのチャンスはどこにでも転がっています。インターンシップがなかったとしても、アルバイトを募集していないかどうか体当たりで聞いてみるというのも面白いですね。意外とするっと入れるかもしれません。

B2C企業に興味がある場合は、現場のアルバイトとしてもぐりこんでみるのも面白いかもしれません。スターバックスやユニクロに就職してみたいと思ったら、まずはバイトをしてみて実際に体験すると、リアルな志望動機を作り上げることができます。

その間に「ここは違うな」と思ったらラッキーですよね。その経験をせずに一途に憧れを持ち続け、内定をもらってしまったとしたら、ずっとその違和感と付き合っていかなければならないのですから。

インターンでもアルバイトでも形式はなんでもいいですが、まず興味のある業界・企業にもぐりこんで実際に働いてみましょう。そのなかで、働いている人のタイプや実際の業務内容、今後のキャリアなどがどんどん見えてくるでしょう。

また「この仕事のここが好き!」「この業界は好きだけど業務内容は嫌いかも・・・」ということが明確になってくるので、志望動機の中で語るエピソードの厚みが段違いになっていきます。

ぼくは、夏休みの短期インターンシップはいくつかいきましたが、長期インターンシップは就職活動が終わるまでやりませんでした。内定をもらってから長期でインターンシップをやりましたが、そこでの経験は非常に貴重でした。「働くとはどういうことか」「価値を出すとはどういうことか」などなど、わかっていたつもりで全然わかっていなかったことを心底理解しました。

「就職活動前に長期インターンシップをやっていれば、就職活動ももっと楽だっただろうにな・・・」と後悔したことを覚えています。

いろいろと楽しい時期でなかなか長期でインターンシップやアルバイトをする気にはならないかもしれないですが、そこでの経験は確実に糧になります。「志望動機が作れない」と嘆いている暇があれば、思い切ってチャレンジしてみることをオススメします。

ステップ3:さまざまなレイヤーの人に話を聞く

ここまでのステップで、あなたはなんとなく興味のある業界もしくは企業を見つけ、さらにはそこにもぐりこんで実際にいろいろと仕事をすることができています。情報を拾う努力もせずに「志望動機が作れなーい」と言っている学生に比べたら雲泥の差でしょう。

しかし、志望動機を作るステップはまだ続きます。今までは、単になんとなく興味のある分野を見つけ、そこに飛び込んだだけです。無我夢中に働いてみるのもすばらしいことですが、「この会社(もしくは業界)にいきたい。なぜなら~」といえるようになるためにもう少しがんばってみましょう。

興味のある分野を見つけて飛び込むぐらいまじめでガッツのあるあなたであれば、インターン(もしくはバイト)先でも非常にいい評価をもらっているはずです。今も昔もそこまで一生懸命な人というのはそこまで多くないため、あなたのことを可愛がってくれる人は確実にいるはずです。

そのチャンスを生かしましょう。普段から先輩や現場のマネージャと仲良くしてランチに行ったりたまに飲みに行くのもいいですし、ちょっと勇気を出して部長や取締役、社長に声をかけてみるのもいいでしょう。普段から一生懸命貢献してくれるインターン生をむげにするようなことはなく、みな快く応じてくれるはずです。

そういうランチや飲みの席で、ぜひざっくばらんに話をしてみましょう。

  • なぜこの会社に入ったのですか?
  • この会社と他の会社を比べていいところ、悪いところはどこですか?
  • この業界の10年後の姿はどうなっていると思いますか?
  • どのような新人が入ってきたらうれしいですか?
  • 一緒に仕事をしたい人の条件は何ですか?
  • この後ずっと今の仕事を続けようと考えていますか?
  • 仕事をしていて楽しい瞬間、苦しい瞬間は何ですか?
  • この会社で働く上でもっとも重要なことは何ですか?

まあ、なんでもいいのです。「絶対に聞いておくべき10の質問!」みたいにがちがちに考えると逆にスムーズにコミュニケーションが取れなくなってしまいますしね。

直属の上司でも、はるか年上の取締役でもいいです。せっかく長期インターンやアルバイトをしていろいろな人と関わるチャンスがあるのですから、それを無駄にせずにたくさん話しましょう。できるかぎり本質的なまじめな話をしてみて、興味を持った業界や企業で働いている人がどのような考えを持っているのか、それは自分の考えとどこが違っていてどこが似ているのか、ばっちり体感してみてください。

長期で働くだけでなく、実際にそこで長年働いている人たちと話すことは、自分がその業界や企業に対してどのような感情を抱いているのか明確にするためには確実に必要です。

普段関わっていない人と話すのは少し勇気がいるかもしれませんが、このステップを挟めるかどうかでこの後の志望動機総仕上げの質が断然変わってきます。ぜひ勇気を出して声をかけてみてくださいね。

ステップ4:入社1年後 / 3年後 / 10年後の姿を書き出す

興味のある業界を見つけ、思い切って長期インターンに応募し、多くの社員とも腹を割って話しまくってきたあなた。ここまでくれば、その業界や企業のことを深く理解できるようになっているはずです。ここらで志望動機作成を本格化させていきましょう。

実際の業務やそこで働いている人の姿も理解しているため、ここで一気に志望動機を書いていっても普通の学生とはレベルの違う志望動機は書けるはずです。しかし、書きたい気持ちをここでぐっと我慢してもうワンステップ挟みましょう。

それが「入社した後の自分の未来の姿を書き出すこと」です。具体的には1年後/3年後/10年後に分けて書いてみてください。

なぜこんなことをする必要があるのでしょうか。それは、志望動機に「未来の視点」を導入するためです。

普通の学生は、自分の過去に紐付けて志望動機を作成します。

  • 部活動でこんな経験をしてきた
  • インターンシップでこんな成果を残した
  • こんな研究をしてきて、それが活かせると思った
  • こういうアルバイトをしていて、この職業と通じるものがありそうだった

もちろんこれらの内容は非常に重要ですし、入れるべきです。自分が過去にしてきたことと、自分が行きたい企業や業界に類似性があるのであれば、それは非常に強い動機となります。

しかしながら、もしあなたがさらに志望動機に説得力を持たせたいと考えているのであれば、もう一ひねり加えていきましょう。それが「志望動機に未来の視点を持たせること」です。

志望動機とは「動機」なのです。なぜあなたがそれをしたいか、それを感情的にかつ論理的に語るものなのです。もちろん過去の経験はその動機の礎となるでしょう。しかしそれだけでなくあなたが将来的にどうしたいのか、何をやりたいのか、どのように働きたいのか、そういう未来からも動機は生まれるはずなのです。

興味を持った業界で働き、いろんなことを語り合ったあなた。もしその会社に入って1年たったらどのようなポジションにつき、どのようなことを思い、何をしているのか。3年たったらどうか、10年たったらどうか。

そういうことを徹底的に思い描き、リアルに空想してみてください。ただこれをやろうとしても難しいかもしれませんが、あなたはもうすでに長期インターンで働き、1年目や3年目、10年目以上の社員といろいろと話しているのです。その空想レベルは非常に精緻なものとなっているはずです。

そこでの空想を書き出したら、次のステップに移りましょう。

ステップ5:志望動機(ドラフトバージョン)を作成する

興味のある業界を見つけ、長期インターンシップに飛び込み、さまざまな階層の社員とディスカッションを重ね、それをもとに将来の姿まで描くことができるようになったあなた。ここまでくれば「志望動機が作れない・・・!」と悩むことなどなくなっているはずです。ガシガシと志望動機のドラフトを書いていきましょう。

志望動機に書くべき内容は非常にシンプルです。「なぜあなたはこの業界で/この企業で/この仕事をやりたいのか?」、この質問に答えればいいだけです。

企業によっていろいろな聞き方をされる可能性はありますが、上記の質問にしっかりと答えることができれば問題ありません。ここまで経験を積んできたあなたであれば、いくらでも答えることができるでしょう。

  1. 過去の経験や書籍、ネット上の情報から興味を持った
  2. 調べているだけではわからないので、実際に働いてみた
  3. 一生懸命働いていく中で、xxという魅力を発見した
  4. 若手社員やグループリーダー、部長や社長と話す中で、○○○ということも理解した
  5. 将来的には、この会社で△△△というような立場で、□□□を推進したいと考えている
  6. 自分の特性、長期インターンでの経験、社員とのディスカッション、将来なりたい姿を鑑みて、御社で働きたいと強く思うようになった

流れとしては上記のようなものになるでしょう。もっともっと肉付けしても良いですし、時間がない場合は逆にシンプルにしてもいい。わざわざ暗記するまでもなく、自由に自分の言葉で志望動機を語れるようになっているはずです。

普通の学生はネットやES集からぱくってきたような浅い志望動機しか語れませんが、実際に対象業界のことを深く理解して実際に働いたあなたであれば、それとはレベルの違う志望動機を作り上げることができるはずです。

少々プレゼンテーションが苦手だとしても、にじみ出る自信や経験の深さは面接官にも必ず伝わるはず。自信を持って大丈夫です。(できればスムーズに話せるようになるまで面接練習をすることはオススメしますが)

ステップ6:OB/OG訪問がてらレビューを受け、最終化する

ここまできたらあと一息です。あなたは自らの思考と経験を元に非常に質の高い志望動機を作成できていますが、さらにもう一歩踏み込んでいきましょう。

実際に行きたい!と感じている企業の社員に連絡を取り、いろいろ話しつつ志望動機を見てもらうのです。あなたはすでに対象業界・企業について深い理解がありますが、それでも何年もそこで働いている社員にはかないません。

さまざまな経験を積む中で磨き上げてきた志望動機。それを実際に働いている社員にぶつけ、いろいろなフィードバックをもらいましょう。

  • この志望動機に違和感はありますでしょうか?
  • ぼく/私のような思いを持って働いている社員は多いでしょうか?
  • もしあなたが面接官だとしたら、面接に通すでしょうか?
  • さらに改善できるとしたらどこが改善できるでしょうか?

自分の経験や思考に基づいた志望動機に、さらに現役社員からのフィードバックを受けて修正すれば鬼に金棒です。長期インターンの経験もあるあなたであれば、社員との話もかなり深くなるでしょう。

それをもって志望動機を修正すれば、面接官も「なんでそんなことまで知ってるんだ!?」「ここまで深く仕事のことを語れる学生がいるのか・・・」と驚愕すること間違いなしでしょう。

せっかくやるならガチで志望動機を作ろう

就職活動は、とても貴重な学生時代の時間のかなりの部分を注ぎ込んで実施する活動です。また、ここでしっかりやりきれるかどうかで20代のキャリアに対する満足度も変わってきます。

今回の記事で語ってきた志望動機作成のコツはなかなかハードルが高いかもしれませんが、めげずにぜひとも実施してみて欲しいです。新卒の面接でここまでやってきた学生がいたとしたら、ぼくだったら即座に面接を通過させますね。とおりいっぺんのリサーチではカバーしきれない熱意やコミットメントが伝わるため、しっかり志望動機を作ってきた学生の選考通過率は非常に高くなるでしょう。

「志望動機が作れない・・・」と嘆くのであれば、愚直に今回説明した6ステップをやってみてください。いつの間にかとても説得力のある志望動機が言えるようになっているはずです。

★次はこの記事をどうぞ