【社説】韓国与党の大統領候補、0%台の支持率が10人

 韓国与党セヌリ党は13日付で党名を「自由韓国党」に変更し、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が決めた「セヌリ党」という党名は5年でなくなることになった。自由韓国党の執行部は「保守政権を必ず成立させなければならない」と意欲的で、同党では現在、大統領選挙出馬の意向を持つ党員がおよそ10人ほどいるという。中にはすでに出馬を宣言したケースもあれば、検討中というケースもあるが、彼らはいずれも国会議員、あるいは前職・現職の広域地方自治体の長ばかりだ。もちろん大統領選挙にチャレンジすることは自由だ。しかし彼らの中に与野党全体の有力候補者中で支持率が8位以内に入る人物は一人もなく、最も高くても1%前後だ。つまり出馬について現時点で明言していない黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行首相を除けば、実質的に候補者といえる人物が一人もいないのが今の自由韓国党の現状だ。しかも同党からの立候補を検討している人物の中には政治経験が全くない者もいるという。

 もちろん彼らの中には心から国のことを思って出馬を検討する人物もいるだろう。しかし実際のところ彼らの多くは何らかの計算をしているはずだ。朴大統領の弾劾審判が今度どのような結果になるかは分からないが、いずれにしても保守が再結集を目指す今、名前だけでも知らしめて今後何らかの役職に就くとか、あるいは次の国会議員選挙などさまざまな選挙への出馬をにらみ、今から名前を売っておこうという意図もあるだろう。このように彼らはいわば保守のネガティブな側面をそのまま体現しているかのようだ。

 自由韓国党の支持率は現在、セヌリ党時代を含め最も高かった頃の4分の1程度にまで落ち込んでいるが、それでも国会では95人の議員を擁する第2党であり、「正しい政党」と共に「保守」を掲げている。しかしこのような政党から聞こえてくる話はなぜか希望が感じられず、どこか違和感を持ったり、時には失笑さえ禁じ得なかったりするようなことばかりで、いずれにしても二つの保守政党がどちらもその存在感を失いつつあるのは間違いない。彼らの中には崔順実(チェ・スンシル)問題によって実質何らかの被害を被ったケースもなく、所属議員や党員たちは今なお自分だけは生き残ろうと必死だ。それは大統領から当選1回の新人議員に至るまで例外はない。誰もがそのような現状だから、今後支持率ゼロの保守の潜竜(まだ天に昇らない竜)は今の10人前後から今後さらに増えるだろう。

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