【ワシントン清水憲司】米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は14日、米上院での半年に1度の議会証言で、今後数回の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で、失業率とインフレ率の動向が堅調だと確認できれば「(追加利上げが)適切ということになるだろう」と述べ、次回3月会合で追加利上げする可能性を排除しない考えを表明した。
イエレン氏は賃金の上昇率が上向くなど雇用情勢の改善が広がっており、インフレ率も目標の2%に向かいつつあると指摘。「(追加利上げを)長く待ちすぎるのは賢明ではない」として、追加利上げに前向きな姿勢を示唆した。ただ、トランプ政権の経済運営をめぐり「財政や他の政策の変更の可能性があり、かなりの不確実性がある」とも述べ、動向を見極める考えも表明した。
FRBは昨年12月時点で、今年中に3回の追加利上げを見込んでいる。3月14、15日に行われる次回FOMCでの利上げについて、市場は今のところ確率は高くないとみており、6月以降の実施を有力視している。