NBCテレビの人気番組で、トランプ大統領の物まねをするアレック・ボールドウィンさん=AP
【ロサンゼルス長野宏美】米NBCテレビで1975年から続く土曜夜のバラエティー番組「サタデー・ナイト・ライブ」が、トランプ大統領のパロディーで人気だ。あまりの酷似ぶりに中米ドミニカ共和国の新聞が10日、物まねする俳優の写真をトランプ氏と取り違えて紙面に掲載し、翌日謝罪したほどだ。番組の視聴率は好調で、放映後に米メディアがニュースとして内容を伝えるほど注目されている。
トランプ氏に扮(ふん)するのは俳優のアレック・ボールドウィンさん(58)だ。金髪のかつらをかぶり、わざとらしく口をゆがめながら、直近に起きたニュースをネタにして切り込む。
11日は、控訴裁判所がイスラム圏7カ国からの入国を禁じる大統領令の即時停止を支持したことをパロディーにした。トランプ氏は架空の「人民裁判所」で「ものすごい入国禁止令に署名した。読んでいないけど……。悪いヤツらが続々とアメリカに来るからだ」と主張し、証人としてロシアのプーチン大統領役まで登場する。面倒なことは側近に任せて、あいまいな論理で政策をごり押しするスタイルだと皮肉った。
女優のメリッサ・マッカーシーさん(46)がホワイトハウスのスパイサー報道官に扮する物まねも好評だ。架空の記者会見で都合の悪い質問を水鉄砲を放って封じ込めるなど、記者とのバトルを風刺している。
CNNによると、昨年10月に始まった今季の平均視聴者数は740万人。録画などで1週間以内に見た人を含めると1060万人になり、過去22年間で最多記録になった。トランプ氏は昨年、ツイッターで「見るに堪えない。偏っている」などと番組を批判している。