文香(Ayaka) さんが 2017/02/14 に更新
「疲れた、仕事辞めたい」心折れそうになる前に思い出してほしいこと

「疲れた、仕事辞めたい」心折れそうになる前に思い出してほしいこと

「疲れた、仕事辞めたい」。がんばって働いていても、ふと不安になるときがある。そんなときに心の中で「疲れた、仕事辞めたい」とつぶやくわたしがいる。わたしの仕事は、わたしの代わりに誰でもできるのでは。今のままでいいのかな。この仕事、辞めたいかも……そんなあなたへ届けたいショートストーリーです。

働き方


■疲れた。事務の仕事辞めたい

32歳、事務職。

入社して数年、仕事にも慣れてきた。職場にはやさしい人が多いし、給料は高くないけどもらえる。それなりにやって、なんとなく続けてきた。

ただ、不安だ。

手渡された資料にただひたすらホチキスをとめて、人生を終えていくのかな。頼まれた内容をエクセルに打ち込んで、稟議書を作って。わたしがここからいなくなっても、他の誰かでもできるような仕事をして。

仕事に真面目に向き合ってはきたけれど、もっとやりたいことがあるような気がする。でも、わたしには何もない。自慢できるようなスキルも経験も、ないと思う。

営業の人を見ていると、うらやましい。スーツを着て高めのヒールで歩く姿に、同じ女でもいつも見惚れてしまう。バリバリのキャリアウーマンって感じがしてカッコいい。きっと自分の仕事に誇りを持ってやっているんだろうな。


仕事、疲れた。辞めたい。

■疲れた。営業の仕事辞めたい

34歳、営業職。

気づいたら立派な30代。仕事でもいつのまにか中堅になっていて、担当するクライアントは多くなった。得意先だって持てるようになった。


ただ、不安だ。


毎日外回りして、相手の話にうまく相づちを打って。「それは違う」と言いたいことも、売上やノルマのために、喉の奥にしまうことがある。元気がないときだって笑顔を作る。だって、わたしは営業マンだから。そう何度も言い聞かせてきた。

仕事は嫌いじゃないけれど、この忙しい日々の先に何があるのだろう。今日も疲れたなぁってひとりつぶやいて、終電近くの電車に揺られて。また明日もバタバタと駆け回って。

結婚しているあの子が、うらやましい。夫と子供がいて、家庭があって、落ち着いて。女としての幸せを手に入れた。わたしの未来はまったく見えなくて、怖い。


仕事、疲れた。辞めたい。

■疲れた。専業主婦という仕事辞めたい

35歳、専業主婦。

結婚して、子どもが生まれて、仕事を辞めた。手放したものもあるけれど、家族がいる。穏やかな日常は、十分幸せなのかもしれない。


ただ、不安だ。


洗濯をして、掃除機をかけて、ゴミ出しをして。献立を考えて、買い出しをして、料理の後には洗い物をして。毎日ほとんど同じことの繰り返し。欠かさずこなしたところで、褒めてくれる人なんていない。

主婦は、給料なんて出ない。休憩もない。いつだって子供と夫のことに全力だ。それでも、「してあたりまえ」「主婦はラクでいい」と思われることがある。

仕事に励んでいるみんなが、うらやましい。社会に居場所があって、うらやましい。家族を愛してはいるけれど、このまま家事だけで人生の時間を埋め尽くしていくのかな。わたしの仕事も認めてほしい。


主婦、疲れた。辞めたい。

そんなことを考えながら……。


今日も、目の前のエクセルに集中していたら、声をかけられた。「いつもわかりやすく入力してくれてありがとう。営業するとき、助かってる。」


今日も、資料をたくさん持ってクライアント先に足を運んだら、言われた。「寒いし、雨も降っているし、大変だったでしょう。でもね、電話やメールで済まさずに顔を出してくれる君だから、お願いしようと思ったんだよ。」


今日も、買い出しをして帰宅して、ぱたぱたと慌ただしく台所に立つと、「今日の夕ごはん、なあに?お母さんが作るごはん、ぜんぶおいしい!」エプロンの裾をつかんで、にっこり笑う小さな息子。


……わたしの仕事、ちゃんと、見てくれていたんだ。

■一人ひとりの仕事は誰かのためになっている、と思い出して

どんな仕事にだって不安があって、
これでいいのかと、悩むときがある。

うらやましく思える、あの人の仕事にも
悩みや、葛藤がある。


どんな仕事も、誰にも見られていなくて、
でも、自分の役割をしっかり果たしていれば、
どんな仕事も、誰かが見てくれている。


「疲れた。仕事辞めたい」。
そうつぶやいたときは、思い出してほしい。

周りには、味方がいる。
わたしたちの仕事は、誰かの支えになっている。

関連する投稿


自己肯定感を高めると、自分らしく生きられる

自己肯定感を高めると、自分らしく生きられる

自己肯定感を高めると、自信を持てるようになり、積極的に動けるようになります。つまり、自分らしく働きたい(生きたい)なら、自己肯定感を高めることが先決! そのためにまずは「自分を褒める」ことから始めてみませんか。


チェコに移住した三児の母が考える、海外で仕事をするということ

チェコに移住した三児の母が考える、海外で仕事をするということ

チェコに移住して5年。育児休暇や子供手当ても終わり、仕事を見つけるべく、ハローワークに通う私。のんびりとした国で、どう自分らしく生きていこうか、模索する日々を綴ります。


好きな仕事で独立するということ【独立するまで 独立してから #6】

好きな仕事で独立するということ【独立するまで 独立してから #6】

会社を辞めて独立して仕事をしたい、自分らしく働きたい、と考える方もいるのでは。できるなら、好きな仕事で独立したい。そんな夢を実現した諸戸佑美さんが、独立して仕事をすること、について綴ります。


一人合宿をホテルで行う。3泊4日コースで新世界への扉を開く

一人合宿をホテルで行う。3泊4日コースで新世界への扉を開く

一人合宿は自分をリセットしたい人におすすめ。安藤美冬さんが提案する一人合宿、そのやり方やおすすめのホテルをご紹介します。何かに悩んでいる時に、一度実践してみてはいかがですか?


成果を出す人が投資しているたった2つのこと

成果を出す人が投資しているたった2つのこと

成果とは、あることをして得られた良い結果のこと。でも、成果を上げようと思っても、成果は出せるものではない。では、何が必要なのか。石田ごうきさんが解説します。


最新の投稿


コーヒーの首都シアトルにしかない、新感覚のスタバを訪問【オトナの美旅スタイル #16】

コーヒーの首都シアトルにしかない、新感覚のスタバを訪問【オトナの美旅スタイル #16】

シアトルに行ったら必ず訪れたいスタバの店舗「スターバックス・リザーブ・ロースタリー&テイスティングルーム」ほか、コーヒーの首都ともいわれるシアトルならではのコーヒーショップをご紹介。


恋愛を加速させる、大人女性のLINEのやりとり

恋愛を加速させる、大人女性のLINEのやりとり

異性が愛おしいと思う、LINE(ライン)のやりとりとは一体どんなものか? 今回は、LINEを使った大人の恋愛テクニックについて、コミュニケーションコンサルティング会社を経営する西澤 史子さんにお話を聞いてみました。男性と恋愛に発展する上でかかせないポイントは「素直な気持ち」です。


プチプラなシートマスクを1日おきに投入して「疲れ顔」にさよなら

プチプラなシートマスクを1日おきに投入して「疲れ顔」にさよなら

シートマスク、使ってますか? プチプラ(1枚60円)なのにアラフォーのお疲れ顔をすっきりさせるシートマスクを発見。エステで使われるほど実力派な業務用シートマスクだからこそ、お手頃価格で手に入ります。1日おきに使うのもあり!


ミキモトは花びらをジュエリーで表現した「LES PÉTALES DE GINZA」を3月1日発売。

ミキモトは花びらをジュエリーで表現した「LES PÉTALES DE GINZA」を3月1日発売。

日本を代表するジュエリーブランド・ミキモトは「桜」の美しい花びらをモチーフにした「MIKIMOTO PÉTALES COLLECTION」より「LES PÉTALES DE GINZA」(レ ペタル ドゥ ギンザ)を発表。


下北沢のレトロな5つの喫茶店でゆっくり流れる時間を

下北沢のレトロな5つの喫茶店でゆっくり流れる時間を

小劇場やライブハウスが多く、雑貨屋さん、古着屋さんを中心に小さくて個性的なお店が軒を連ねるサブカルチャーの街「下北沢」。下北は音楽やアートばかりで、おいしいコーヒーをゆっくり楽しむような街じゃない、なんて思っていませんか。サブカルチャーを発信し続ける下北沢の個性溢れる喫茶店をご紹介します。