着床前スクリーニング 臨床研究に参加の女性 登録開始

着床前スクリーニング 臨床研究に参加の女性 登録開始
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体外受精の際に、受精卵のすべての染色体を調べ、異常がないものだけを選んで子宮に戻す着床前スクリーニングについて、日本産科婦人科学会は、流産を減らすなどの効果があるかどうかを調べる臨床研究を行うため、研究に参加する女性の登録を開始したと明らかにしました。
この着床前スクリーニングは、体外受精の際に、アレイCGHという方法を使って受精卵のすべての染色体を解析し、染色体の数に異常がないものだけを選んで子宮に戻すものです。

日本産科婦人科学会は14日夜に会見し、このスクリーニング法によって流産を減らしたり、出生率を上げたりすることができるかどうかを調べる臨床研究について、参加する女性の登録を開始したと発表しました。

対象となるのは、35歳から42歳までの、流産を2回以上経験した女性90人と、体外受精を3回以上しても成功しなかった女性90人の合わせて180人で、スクリーニングを行ったグループと行わなかったグループの2つに分け、流産の確率や出生率に差が出るかなどを調べるということです。

今回の着床前スクリーニングをめぐっては、染色体の数に異常があるとして子宮に戻されない受精卵の中に、ダウン症など出産の可能性がある受精卵も含まれていて、専門家からは、こうした技術が、今後広まることになれば、命の選別につながるという指摘もあがっています。

学会の倫理委員会の苛原稔委員長は「着床前スクリーニングについては、諸外国で、流産を減らしたり、妊娠率が上がるといった報告が出始めていて、日本での有用性を判断しなければいけない時代に入った。倫理的な課題についても検討していきたい」と話しています。