2. シアーズとKマートは、インテリアブランド「トランプ・ホーム」31商品の取り扱いをやめる。2月11日、ロイターが伝えた。利益が見込める商品に切り替えるという。
両社のオンラインサイトからも「トランプ・ホーム」は消えた。Business Insiderによると、広報担当は「最も売れ行きのいい商品にフォーカスするように、つねにオンラインの品揃えを洗練しています」「トランプホームの31商品は今週、サイトから削除されました」と話した。
5. トランプ家関連商品の取り扱い中止が大きな話題になったのは百貨店ノードストロームとニーマンマーカスの発表だった。販売不振を理由にあげた。
ノードストロームの2017年1月期決算で、イバンカ商品の売り上げは前期比32%減の1430万ドル(約16.3億円)だった。Wall Street Journalが11日伝えた。とくに大統領選の投開票を目前に急降下。昨年10月第2〜4週に、前年の同じ時期と比べて7割以上落ち込んだ。
6. ただ、ブランド側は反論する。
「イバンカ・トランプのブランドは消費者の支持を受けて、カテゴリーや販売経路を拡大しています。2016年は前年比で大幅な増収です」。同ブランドのマーケティングを担当するローズマリー・K・ヤング氏はBuzzFeed Newsの取材に答えた。「ブランドの強みは生み出す利益だけでは測れないと思います。むしろ大切なのは、保っている高い品位です」
7. トランプ大統領は8日、ノードストロームを名指しで非難した。「私の娘イバンカはノードストロームに不公平に扱われた。彼女は素晴らしい人物だ。いつも私が正しいことをするように押してくれる!ひどいことだ!」
My daughter Ivanka has been treated so unfairly by @Nordstrom. She is a great person -- always pushing me to do the right thing! Terrible!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump)
大統領がファミリービジネスを巡って、私企業の判断に口を出すのは異例。利益相反だと指摘されている。
8. このツイートを受けてノードストロームの株価は下がったのだろうか? 逆だった。フィナンシャルタイムズによると、この日の終値は前日比4.1%上昇した。(S&P指標の上昇は0.1%にとどまっている)
Trump attacked @Nordstrom, it dipped. Immediately you bought their goods/stock. Up over 4% in one day. You have the… https://t.co/rD57uYRqe0
— Beau Willimon (@BeauWillimon)
9. トランプ政権によるイバンカ商品の売り込みは続いた。ケリーアン・コンウェイ大統領顧問は翌日、Foxのインタビューで「イバンカの商品を買いに行きましょう」「わたしは買い物が嫌いなんですが、今日これから買いに行きますよ」と呼びかけた。背景にはホワイトハウスの文字が。
Kellyanne Conway just told everybody to "go buy Ivanka's stuff" — potentially violating ethics law… https://t.co/wg3tvAHQfn
— BuzzFeed News (@BuzzFeedNews)
「(イバンカは)女性のエンパワーメント、働く女性のチャンピオンです」
10. 「すばらしい商品です。私もいくつか持っています。ここで無料でコマーシャルをやらせてもらいましょう。今日買いに行ってください、みなさん。オンラインにもあります」
11. この発言は、倫理規定に反するとして大きな政治問題に。質問を受けたスパイサー大統領報道官は記者会見で「(コンウェイ氏は)そのことで忠告を受けた。いっ、いっ、以上だ」と述べるのが精一杯だった。
"Do you believe Kellyanne Conway crossed an ethical line here? "Kellyanne has been counseled. That's all we're go… https://t.co/opsDDXwQq5
— BuzzFeed News (@BuzzFeedNews)
12. なぜ、小売り各社はトランプ大統領に関連する商品の取り扱いを中止しているのか。背景には、反トランプの不買運動 #GrabYourWallet(財布をつかめ)キャンペーンの広がりがある。財布、つまり、消費者としての購買力を使って政治意志を表明しようという呼びかけ。
Reminder: the U.S. citizens who voted against hate generate two thirds of this nation's economic activity.… https://t.co/9kb24Owmb2
— Shannon Coulter (@shannoncoulter)
#GrabYourWallet はサンフランシスコの女性シャノン・コールターさんが昨年10月に始めた。トランプ大統領が吐いた「有名人なら、女はやらせてくれる」という暴言が明らかになったこときっかけに、ホテルやゴルフ場などトランプ家のビジネスを利用しないようにボイコットを呼びかけた。
13. 「あなたはお金を使うたびに、投票しているようなものです。どんな世界をつくりたいかに」
ボイコット運動はトランプ大統領の就任後に大きく盛り上がった。中でも女性が消費者としてのパワーを見せつけたのが、娘イバンカのブランド商品を扱う百貨店のボイコットだった。
14. 消費者たちは、取り扱い中止を公表したノードストロームを支持して、買い物を楽しむ様子をTwitterに投稿している。
15. 「ゲイ、イスラム教徒、ユダヤ人がノードストロームに寄って、ホワイトハウスにも来ました。トランプ大統領に向けて中指を突き立てるためです」
A Gay, a Muslim, and a Jew hit Nordstrom and then hit @WhiteHouse to give the finger to @realDonaldTrump.
— Chelsea Handler (@chelseahandler)
16. イバンカ商品の取り扱い中止を受けて、消費者が再び店に。「ありがとうノードストローム、帰ってこれてうれしい!」
17. 「ノードストロームに買い物に行きました。リップなどいくつか買いました。その場でお礼を言い、これを本社に送りました」
「トランプ商品の扱いを止めてくれて、ありがとうノードストローム!イバンカは去りました。わたしは帰って来ました #GrabYourWallet !」
Went shopping at #Nordstrom, purchased several items including lipstick, thanked them in person & mailed this to co… https://t.co/UleU9DB995
— (((Myriah))) (@mmbbebe)