インターネット社会の到来で、視聴習慣で『ニュース7』を見ていた時代は終わりつつある。NHKもそんなことは分かっている。巨大テレビ局は壮大な戦略にもとづいて、次世代エースを投入した――。
「看板ニュース番組のメインキャスターを一斉に交代させるなんてことは、近年にはなかった異例のことです。これはドラマに加えてニュースも視聴率を獲りにいく、という決意の表れでしょうね。
毎年11月頃にはアナウンス室長、編成、報道、制作等の幹部からなる『キャスター委員会』が開かれます。それぞれの番組のプロデューサーから『〇〇がほしい』という指名があるわけですが、近年の傾向ではニュース番組が強い。当然のように『ニュース7』、次に『ニュースウオッチ9』の都合が優先されます」(NHKベテラン局員)
4月からNHKの「夜の顔」がガラガラポンすることになった。
まず『ニュース7』では、平日メインキャスターに鈴木奈穂子アナ(35歳)、土日祝メインキャスターに井上あさひアナ(35歳)という同期コンビが抜擢された。
鈴木は『ニュースウオッチ9』からの異動で、順当なキャリアアップだ。
'06年に明石家さんまが、生放送番組で、「気になる女性ベストテン」の第5位として、松山支局勤務の鈴木の名を挙げたほどの正統派美人である。
「『おはよう日本』を含め、彼女は看板番組3つを経験することになります。聞きやすい原稿読みもさることながら、万人受けするルックスに品があり、既婚者としての立場からコメントもできる。そして、軽やかさもあります。
『おはよう日本』には『まちかど情報室』というコーナーがあり、そこでのかけ合いが面白かった。主婦からも支持されるでしょう」(TVライター・丸山大次郎氏)
一方の井上は『ニュースウオッチ9』で大越健介キャスターとコンビを組んで、全国的に知られるようになった。
NASAのニュースの後、大越が何気なく、
「井上さんは宇宙人はいると思いますか?」
と聞くと井上は、
「私は宇宙人ではありません」
と即答。クリスマスの話題で大越から、
「ところでクリスマスのご予定は?」
と振られたときは、
「ないんです」
「本当にないんです」
と真剣な顔で答えた。
そんな真面目な井上にサラリーマンは癒やされていた。番組降板後は、'15年4月から京都放送局に異動。ローカル番組のキャスターを務めていたが、春からは東京に戻る。
「そもそも、なぜ井上が京都に行ったのかは局内でも謎でしたね。当時の京都放送局の幹部が熱望し、本人も希望したと聞いています。
しかし、全国的に人気があった彼女をローカルだけではもったいないと、京都に所属しながら、『クローズアップ現代+』『歴史秘話 ヒストリア』にも出演していました。NHKの人事は通常3年周期なのに、2年で戻る彼女はいかに期待されているかということです」(NHK関係者)