【ワシントン=吉野直也】CNNテレビなど米主要メディアは13日夜、フリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が辞任したと報じた。トランプ政権の発足前にロシア当局者と対ロ制裁について協議していたとされる問題の責任を取ったとみられる。国家安全保障担当の補佐官は閣僚級で、ホワイトハウスの外交・安全保障の司令塔のフリン氏の辞任はトランプ政権に打撃となる。
米CNNテレビによると、フリン氏はトランプ米大統領に「不十分な情報を伝えたことをおわびしたい」とする辞表を提出したという。発足後3週間で米政権の閣僚級が辞任するのは極めて異例だ。
ホワイトハウスのスパイサー大統領報道官は13日、フリン氏の疑惑に関して「大統領は状況を調査中だ」との声明を出していた。ロシア当局者との話し合いが事実であれば、民間人の外交政策関与を禁止する法律に違反するとの指摘が出ていた。
米紙ワシントン・ポストによると、フリン氏は政権発足前の昨年12月末に駐米ロシア大使と電話などで接触し、政権発足後に制裁を見直す考えを伝えた。フリン氏は当初疑惑を否定していたが、現在までに「100%の確信を持って思い出すことができない」などと述べ、ペンス副大統領などに謝罪した。
CNNテレビは関係者の話として「トランプ氏は特に当初疑惑を否定した点に腹を立てている」と報じた。大統領顧問のコンウェー氏は13日、米テレビで「大統領はフリン氏に全幅の信頼をおいている」とコメントした。