高3・飯田が完全アウェーでリオ五輪銅メダリスト破り初V
2017年2月14日6時0分 スポーツ報知
◆柔道 グランドスラム・パリ大会最終日(12日、パリ)
男女計7階級が行われ、男子100キロ級の飯田健太郎(18)=国士舘高3年=が決勝でリオデジャネイロ五輪銅メダルのシリル・マレ(フランス)に優勢勝ちし、大会初優勝を飾った。同100キロ超級では王子谷剛志(24)=旭化成=が優勝。女子は78キロ超級の朝比奈沙羅(20)=東海大=、70キロ級の新井千鶴(23)=三井住友海上=が頂点に立った。新ルールで男女とも7階級が行われた今大会の日本勢は男子が5階級、女子が2階級を制した。
完全アウェーをものともしなかった。男子100キロ級決勝。地元・フランスのマレに大声援が送られる中、飯田は18歳とは思えないほど落ち着いていた。「気にせず集中できた。映像を見て自分の力を出せばいけると思っていた」。五輪銅メダリストから得意の内股で技ありを奪い、海外では初めて出場したグランドスラム(GS)でいきなり頂点に立った。
試合時間が5分から4分に短縮されるなど、大幅なルール改正が行われた中でも力を見せた。準決勝は技ありを奪われ、残り30秒を切った窮地から内股で逆転の一本勝ち。指導者の父・敦往さんの影響で柔道を始め、小学生で166センチだった身長は188センチにまで伸びた。課題だった体重も、昨年12月のGS東京大会後に取り組んだ筋トレの成果で3キロ増量。屈強な外国勢と互角以上に渡り合った。
11日には66キロ級で19歳の阿部一二三(日体大)が初優勝。「勢いに乗って世界選手権に行きたい」と話す飯田もまだ高校生だ。20年東京五輪を目指すホープたちが、新ルールの下で存在感を発揮し始めている。