三浦九段、スマホ不正使用疑惑から4か月…羽生3冠と復帰戦黒星
対局中のコンピューターソフト不正使用を指摘された後、疑いが晴れた将棋の三浦弘行九段(43)が13日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた竜王戦1組ランキング戦で羽生善治3冠(46)に131手で敗れ、復帰戦を白星で飾ることはできなかった。
勝利とはならなかったが、健在を証明する一戦だった。昨年10月から対局を離れ、今月初めまで駒に触れてさえいなかった三浦九段は、ブランクを経験値でカバー。持ち味の重厚な指し回しを展開し、第一人者を相手に中盤でリードを奪った。
終盤で見せた羽生3冠の変幻自在の勝負術に屈するも、最後までA級棋士らしい技術を披露。7日の会見で「復帰早々大変な相手ですが、胸を借りるつもりで思いっ切り頑張ります。復帰するからには言い訳はできない」と語っていたとおりの堂々たる将棋だった。
対局前、自らの希望通り連盟職員によるボディーチェックを受けた。当初は自分だけの希望だったが、羽生も「同じ条件で対局したい」として金属探知機による身体検査に応じた。昨年10月から連盟での対局では対局前に電子機器をロッカーに預ける規定になっているが、金属探知機による検査は例がない。両者ともに、一寸の疑念も挟まれる余地のない舞台で勝負に臨んだ。
三浦九段は昨年10月、対局中にスマートフォンを不正に使用したと指摘されるなどして年内の出場停止処分を受けたが、昨年末の第三者委員会による調査結果で「不正行為の証拠なし」と発表され、復帰に至った。偶然にも13日は43回目の誕生日。再出発に向け、価値あるバースデーとなった。
三浦弘行九段「終盤が難しくよく分からなかった。もっとうまい指し手があったと思う。これだけ長期間、指さなかったことはないので、(復調できたかは)分からない」
◆三浦九段、復帰までの道のり
▼2016年9月8日 三浦九段が竜王戦で渡辺明竜王への挑戦権獲得
▼10月10日 三浦九段のソフト不正使用疑惑が指摘され、日本将棋連盟幹部と渡辺竜王らが会合
▼同11日 連盟が三浦九段を事情聴取
▼同12日 連盟が三浦九段の16年末までの公式戦出場停止処分を発表
▼同18日 三浦九段が不正使用を否定する声明
▼12月26日 調査委が「不正を認める証拠はない」と報告
▼同27日 谷川浩司連盟会長が陳謝し幹部の減給処分を発表。三浦九段は「元の状態に戻して」と会見
▼17年1月17日 渡辺竜王が陳謝
▼同18日 谷川会長が辞任表明
▼2月6日 連盟新会長に佐藤康光九段を選任
▼同13日 三浦九段が羽生善治3冠を相手に復帰戦