収監逃れに暴力団側が依頼か 京都府立医大病院を捜索

収監逃れに暴力団側が依頼か 京都府立医大病院を捜索
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京都府立医科大学附属病院の医師らが、実刑判決が確定した暴力団幹部の健康状態について、「病気で刑務所への収監に耐えられる状態ではない」と事実と異なる内容の報告書を検察に提出したとして、警察は、虚偽公文書作成などの疑いで病院を捜索しています。警察は、収監を逃れようとした暴力団側から依頼があったとみて実態の解明を進めています。
捜索を受けているのは京都市にある京都府立医科大学附属病院で、14日午前10時ごろ、捜査員が建物に入りました。

捜査関係者によりますと、病院の医師らは、おととし、恐喝事件で懲役8年の判決が確定した指定暴力団・山口組系淡海一家の総長、高山義友希元被告(60)の健康状態を検察に報告した際、「腎臓にウイルス性の炎症があり、刑務所への収監に耐えられる状態ではない」と、事実と異なる内容の報告書を提出したとして、虚偽公文書作成などの疑いが持たれています。

高山総長は3年前の平成26年に腎臓の移植手術を受け、検察は、医師の報告書を基に刑の執行を停止しましたが、警察が調べたところ、おととし、報告書が提出された時には容体は安定していて、収監に問題がなかったことがわかったということです。

報告書を書いた外科の医師は、警察の任意の事情聴取に対し、事実と異なる内容だったことを認めたうえで、「院長に指示された」などと話したということです。

警察は、収監を逃れようとした暴力団側から依頼があったとみて、実態の解明を進めています。

腎臓移植は国内で3番目の実績

京都府立医科大学附属病院は、京都市上京区にある総合病院で、移植外科や循環器内科、脳神経外科など合わせて36の診療科目があります。明治時代のはじめに設立された京都で初めての近代医学の病院と、併設された医学校が前身です。

ホームページによりますとベッド数は1065で、国から、認知症疾患医療センターや京都府のがん診療連携拠点病院などに指定され、地域医療を担っています。また、大学病院として、最先端医療や研究の評価も高く、腎臓移植はこれまでに900例を超え、単一の医療機関としては、国内で3番目の実績だということです。

暴力団幹部は検察に出頭し収監

恐喝事件で懲役8年の判決が確定したあと、健康状態を理由に刑の執行が停止されていた指定暴力団・山口組系淡海一家の総長、高山義友希元被告(60)は、14日午前、検察に出頭し、収監されました。今後、刑務所に送られ、服役する見通しです。

塩崎厚生労働相「速やかに内容の把握したい」

塩崎厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で、「所管する京都府がしっかりと調べなければならないことであり、そのうえで、厚生労働省としても、京都府から報告を受けることになる。可及的速やかに内容の把握をしたい」と述べました。