やめたければすべて責任は背負って辞めるべきだと思う
清水富美加さんが突然出家して某宗教の教義の道を進むとのお話。テレビ番組やCMなど契約中の仕事すら放り出しての出家に関係者も頭を抱えているそうな。理由が出家だけに、今後一切の出演や顔出し行為が「宗教の顔」としてのPRになってしまう可能性があることから業界として対策に緊急性が求められるでしょうね。
芸能界を辞める理由や出家の理由については芸能ニュースがさんざんとりあげてます。教団側の広報担当者の言う出家の理由はこんなの。
- 思想信条に合わない仕事をやらされる葛藤
- 給料が安い(月給5万円など)
- 心身の不調で仕事をやめるよう医師の診断書も出ている
- 水着になりたくなかったのに「すでに決まっている」と無理やり撮られた
まぁ本当に好き勝手な事をと思うのではありますが・・・出家してければ仕事の契約をすべて終わらせてからにするのがオトナってものだとは思うのですが、そういうのは「永遠の真理」とかにはないんでしょうねきっと。
ホントならスルーしてしまう芸能ニュースなんですけど、一つだけムカッとすることがあるのでひと記事だけ書かせてもらおうかなと。それは教団側のコメントのここ。
「最近は、人肉を食べる人種の役柄など良心や思想信条にかなわない仕事が増え、断ると所属事務所から干されてしまう恐怖心との葛藤のなかに置かれていました。」
いやいやいやいやいや、東京喰種は僕けっこう好きで実写化のことも知ってたし、実写化が決まった時に「誰?トーカたんの役誰?」って探したくらいだから。
東京喰種でトーカこと霧嶋董香(きりしまとうか)はヒロインだもの。人間だった主人公の金木研が半分喰種(グール)になってしまったあと最初に出会う「生まれつきの喰種」だし、他の喰種と違ってトーカは人間の社会の中で生きている存在だったので。
ストーリーの中でも最重要、喰種と人間の間にいる存在として金木と並ぶ存在ですからね(いやそりゃ芳村さんみたいなのもいるけど)
あの時のあの発言は?
清水富美加のことを始めて知ったのも東京喰種のキャスト発表のときだったと思う。どこの記事だったかは忘れたけど、霧嶋董香役を演じる清水富美加さんのコメントとして、みたいなのを読んだ記憶があって
清水がショートカットに挑戦したのは、今夏に公開される映画『東京喰種 トーキョーグール』での役作りのため。映画では、ヒロインの霧嶋董香(きりしま・とうか/トーカ)が、ボーイッシュでクールなキャラクターであることから「切らないわけにはいかないと思い、30センチほどバッサリいきました」と決意したという。
これまで、ロングヘアで当たり前の生活だったので「戸惑いました」という清水。しかし、現在では「お風呂も高速で上がれるので気に入ってます。アクションの練習にも最適のヘアスタイルでした」といい「映画『東京喰種 トーキョーグール』をよろしくお願いします」と力を込めている。
清水の起用は、石田氏の推薦があったといい「正式にオファーさせて頂いた際に、トーカを演る上で、ひとつこちらから“無理”をお願いしまして、清水さんがそれを受けてくださったとお聞きしました。そこに清水さんの強い意志を感じましたし、トーカに通じる部分を持っていらっしゃるように思いました」と述懐。
この「石田氏」というのは原作の石田スイ氏のこと。依頼したのは髪の毛を霧嶋董香に似せるために切ってほしいということだったんじゃないかなと思うわけです。
これらを見てる限り、「やりたくなかった」とは思えないんですけど。むしろやりたかったでしょう。原作は大人気の漫画だしそのヒロイン役ですよ?髪の毛をバッサリ切って覚悟を決めてやった仕事だったはずなのに。
人肉を食べる役に葛藤とかそれはないでしょ
今回の出家問題の原因の1つに教団が言ってるのがこれ。
人道的映画に出たいという強い希望を持っていたにも関わらず、最近は、人肉を食べる人種の役柄など、良心や思想信条にかなわない仕事が増え、断ると所属事務所から干されてしまう恐怖心との葛藤のなかに置かれていました。
ええー。そんな風に言ってた記憶がまったくないんだけど。
「私と霧嶋董香ちゃんは、真逆のタイプだと思います。自分は平和にぬくぬく生きてきたなぁとも思います。生まれてから大した地獄を知らなければ、見たこともないです。故に、どういったものを、どのように、どのくらい削ぎ落とさなくてはいけないのか、どのくらい自分を追い込まなくてはいけないかということが、計り知れないことは分かります。
声をかけて下さった方々に後悔をさせたくない、という思いと、役を頂いた以上、物語の持つテーマを感じとっていただけるように、いや、そのテーマが何かも今は分からないのですが、詰めて詰めて、撮影が終わったら死んでもいいくらいの気持ちで真摯に作品に望んでいきたいと思っております。」
仕事を断ったら干される恐怖心で仕方なく受けた仕事に対し「撮影が終わったら死んでもいいくらいの気持ちで真摯に作品に望む」なんてできるのかな。
出家するのに「芸能界を悪者にする」理由の1つにこの映画のことを持ってくるっていうのは東京喰種を好きな人にとってはものすごく感じが悪い。というか腹立たしい。辞めるなら勝手に辞めたらいいと思うし、契約途中解除の損害賠償を教団が払うなり個人が払うなりすればいいとは思うけど、残される人とか残される業界とかこれから封を切る映画の事とかは触れるべきじゃないと思う。
そして映画はどうなるのか
このまま出家してしまうのであれば、おそらく東京喰種のトーカ役は別キャストを当てざるを得なくなるでしょう。これまで撮ったシーンはパーになるし、代役の人の気苦労も半端なものではなくなると思うし。
こんなきれいな言葉で説明できるわけではないけど「立つ鳥跡を濁さず」であって、自ら放り出していく世界につばを吐くようなことはしないでほしかった。
ちなみに、原作は14話で完結、続編の「:re」はもう訳が分からないのでもう一度読み直したいやつです(ああ、亜門鋼太朗・・・)