隈研吾も参入!建築界「屋台ブーム」の舞台裏

街を「人間の居場所」にするために必要なこと

隈研吾氏の設計したトレーラーハウスを活用して、神楽坂の空き地に2017年3月までの期間限定で店を出すワインバー。1月末の取材当日は、限定企画の出しとワインを飲むイベントに集まった客らで店内がいっぱいだった(撮影:尾形文繁)

今、若い建築家たちを中心として「屋台」を作るのがブームになっている。

街の片隅に屋台を出して、街ゆく人に無料でコーヒーを振る舞う。そんな趣味活動をしているのが、建築ユニット“mosaki”の田中元子さんだ。

屋台で無料コーヒーを振る舞う

「最初はみんな驚いて、どうしてそんなことをしてるの? おカネは取らないの?とよく言われます」(田中さん)

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そりゃそうだろう。

「でも、私は趣味で街でコーヒーを振る舞っています。振る舞っているからこそ、そこに生まれるコミュニケーションがあるんです。おカネを1円でも取ると、どうしても損得を考えてしまいます。その分、楽しくなくなっちゃうんです。これはホームパーティなどでも同じかもしれません。私は振る舞うことで自分が楽しんでいるのだから、無料でいいんです。だから、商売はしません。これは、(物を売るためではなく)自分が振る舞うための『パーソナル屋台』なんです。そう思うと、ひたすら楽しいんですよ」(同)

「趣味でコーヒーを振る舞っているからこそ、生まれるコミュニケーションがある」(田中さん)(提供:グランドレベル)

田中さんは2016年、あらゆる1階、地面のコンサルティングをするための会社、「グランドレベル」を設立した。屋台はそのコンサル活動の一環でもあるという。

「これまで隅田川沿いの公園や住宅地、線路沿いの私道や友人の事務所の軒先など、いろんなところで屋台を出しました。大手町のオフィスビル群の間にできた新しい緑道を、もう少し人間の居場所として活性化できないかとUR都市機構さんから相談を受けて、屋台を出させていただいたこともありました」(同)。

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