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【社会】

横浜の原発避難生徒 金銭授受もいじめ認定 市教委が一転、謝罪

 東京電力福島第一原発事故で福島県から横浜市に避難した中学一年の男子生徒(13)のいじめ問題で、市教育委員会の岡田優子教育長は十三日会見し、「金銭授受をいじめ認定するのは困難」としていた従来の見解を変更し、金銭授受もいじめと認め、謝罪した。

 生徒の代理人がこの日、「どうして、お金をとられたことを、いじめとしてくれないのか」などとして、林文子市長との面会を求める手紙を市に提出。これを受けて会見した岡田教育長は「子どもの気持ちを受け止められず、(認めるまで長くかかったことは)申し訳なかった」と話した。

 その上で、いじめ防止対策推進法に基づく国の基本方針で「いじめられた児童生徒の立場に立つことが必要」と規定していることを挙げ、「子どもの気持ちを第一に考え、いじめの一部と認識した」と、見解を変えた理由を説明。当時の担任ら学校関係者と共に、生徒側へ謝罪することも明らかにした。

 生徒側によると、生徒は小学五年の時、同級生から「賠償金あるだろう」と言われ、計約百五十万円を渡したとされる。市教委の第三者委員会の調査では、名前に菌を付けて呼ぶ暴言や暴行についていじめと認める一方、金銭授受については、同級生と言い分が食い違うとして、いじめと認定しなかった。調査を踏まえ、岡田教育長は一月二十日の市議会常任委員会で「いじめ認定は困難」と述べていた。

 生徒の両親は「やっと謝罪していただけたという思い」とした上で、「学校、市教委にはいじめに率先して介入し、被害者にも加害者にもきちんと寄り添い、いじめ解決に向けて対応できる組織改革をしてほしい」とコメントした。

 

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