作成容疑
恐喝事件で実刑が確定した指定暴力団・六代目山口組の直系組長(60)が病気で収監できないとする虚偽の診断書を作成した疑いが強まったとして、京都府警が近く、虚偽公文書作成容疑で京都府立医大付属病院の強制捜査に乗り出す方針を固めたことが13日、捜査関係者への取材で分かった。組長も近く収監される見込みで、府警は病院長らから詳しい事情を聴く方針。
捜査関係者らによると、組長は腎機能不全を患い、2014年に府立医大病院で腎移植手術を受けた。
その後、退院して収監できるまで体調が回復したにもかかわらず、病院側は「収監すれば病状が悪化する」などと虚偽内容の診断書を複数回作成。収監の是非を決定する大阪高検に提出した疑いがあるという。
組長は知人男性からみかじめ料名目で約4500万円を脅し取ったとして、10年4月と6月に京都府警に恐喝容疑などで逮捕された。
京都地裁は13年6月に同罪などで懲役8年の実刑判決を言い渡し、14年7月に大阪高裁が組長の控訴を棄却。15年6月には最高裁が上告を棄却した。一方、組長は1審公判中の12年5月、健康上の理由などから保釈され、一度も収監されていなかった。
病院長は毎日新聞の取材に「病院で手術をしたのは確かだが、虚偽の診断書を提出したという事実はない」と話している。